「行政院経済貿易交渉オフィス」が正式始動
行政院は、「行政院経貿談判弁公室(行政院経済貿易交渉オフィス)」が設置計画から1カ月余りを経て9月20日、正式に発足したことを発表した。同交渉オフィスの政策目標は第一に、多国間および二国間の経済貿易交渉により、地域経済統合への参加を推進する。第二に、政府と民間の力を結集させ、国際的な経済貿易協力を推進し、経済貿易外交の活力を改めて創出する。第三に、交渉および国際協力により経済・貿易に関する法治の現代化および経済体質の調整を促すことである。
蔡英文総統は9月19日に第2回「対外経済貿易戦略会議」を招集し、鄧振中・行政院政務委員(無任所大臣に相当)による「交渉オフィス設立および活動の計画」のブリーフィングを受けた後、「交渉オフィスの設置は、国際的な経済貿易の新情勢に対応する必要性のために、漸進的方法で対外経済貿易交渉組織を調整するものである。調整の重点は、政府の交渉チームを再調整し、交渉実務の分業および人材運用をより一層効率的にするもので、組織の新設ではない」と述べた。
「行政院経済貿易交渉オフィス」のメンバー構成面では、当初は「経済部 経済貿易交渉代表オフィス」の現メンバーを基礎とし、産業および食品安全などのテーマを担当する交渉代表を増やし、交渉力を強化する計画である。交渉総代表は鄧振中・行政院政務委員が兼任し、交渉副総代表を2名~3名設け、侯清山・外交部政務次長(政務次官)および王美花・経済部常務次長(事務次官)が兼任する。その他1名は林全・行政院長が適切な人材を指名し兼任することになる。若干名の上級交渉代表は、必要に応じ、関連省庁の司(局)長・処長級の人材を指定して兼任するようにし、その他にも交渉代表または交渉代表代理を設ける。交渉副総代表を経由して、同交渉オフィスは外交部、経済部などの省庁と関連する実務について密接に協力し合い、上級交渉代表を通して、直接各省庁と連絡し協力することもできる。
同交渉オフィス設立初期の実務については、世界貿易機関(WTO)で進行中の「新サービス貿易協定」(TiSA)および「環境商品協定」(EGA)といった2つの交渉に継続して参加すると共に、「新南向政策」の推進および「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)参加の準備実務を引き続き行うことを中心とする。
「新南向政策」について同交渉オフィスは、各省庁と連携し、速やかに現在あるリソースを見直し、細かい実務計画を完成させるようにする。また、地方自治体と推進実施の重点および方法を話し合い、中央と地方との協力メカニズムを徐々に構築していく。「新南向政策」の重点国のニーズおよび希望を理解する。「新南向政策」の各目標国について、全面的な推進方案を研究・策定する。目標国と対話のチャンネルを確立し、双方は速やかに協力内容の確定を実現し、関連省庁はこれを基に実行するよう協力する。
TPP参加への準備実務に関して、同交渉オフィスが関係省庁と協力し行っていく関連実務は、関連省庁との調整、協定とギャップのある法規を引き続き調整、その他のメンバー国に我が国のTPP参加の意向を継続して伝えるなどである。また、我が国はその他の国々と経済貿易協議に対する監督条例草案について速やかに検討を終え、立法院(国会)への審議に回すようにし、これを我が国がTPP交渉への参加プロセスにおいて、関連するビジネス団体、コミュニティ団体と広範な意思疎通を図ることを遵守する拠り所とし、我が国の参加の決意を示していく。
【行政院 2016年9月20日】