アミ族の若者、韓国のドラゴンボート大会で金3銀1

アミ族の若者、韓国のドラゴンボート大会で金3銀1

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 台湾南東部・台東県鹿野郷にあるアミ族の集落「巴拉雅拜(Palayapay)」出身の若者らがこのほど、韓国・釜山で開催された「2017コリアオープン釜山国際ドラゴンボート大会」に出場し、金メダル3個、銀メダル1個を獲得した。一行は4日午前、帰国した。

 先月末に閉会したユニバーシアード台北大会でも、台東県出身の先住民族選手が活躍し、金メダル3個、銅メダル1個を獲得した。巴拉雅拜集落の若者によるドラゴンボート大会でのメダル獲得は、これに続く快挙。

 巴拉雅拜集落のドラゴンボートチームを構成するのは、集落に住む若者と、進学のために集落以外で生活する学生らで、現在のメンバーは29名。この大会では金メダル3個、銀メダル1個のほか、4位、 5位など、合計6個のメダルを獲得した。

 アミ族出身で、元県議会議員である林錦章さんは、「若者たちは素晴らしい」と感動。真剣に頑張る若者の姿に感銘を受けた集落の人々が、大切なお金を寄付して、若者たちを韓国での大会に出場させることができた。そして集落の人々の期待を裏切ることなく、若者たちはメダルを持ち帰ってきた。「若者たちに、集落のこれからを任せたい」と林錦章さんは喜ぶ。

 「2017コリアオープン釜山国際ドラゴンボート大会」には14カ国・地域から多数のチームが出場。台湾からは巴拉雅拜集落のボートチームが出場した。これは、今年、屏東県(台湾南部)東港鎮で行われた端午節(旧暦5月5日、端午の節句)のドラゴンボートレースで2位になったのに加え、選考抽選会で当選したため。チームは国際状況に配慮して、あえて中華民国の国旗を持っていかなかったが、韓国側が自発的に国旗を用意し、会場への持ち込みを認めてくれた。

 巴拉雅拜集落の住民は3年前、地元のドラゴンボート大会で台東県の警察チームと優勝を争ったことがあった。しかし、旗まであと2メートルというところでボートが破損。観客の声援が響き渡る中、船が沈んでいったことは、「笑い話」として伝えられている。集落の若者は「雪辱」を誓い、当時大学生だった王志偉さんの呼びかけに応じ、男女混成のボートチームを結成した。そして、翌年のドラゴンボート大会優勝を目標に掲げた。

 しかし、チームは結成したものの、船もオールもない。若者たちは仕方なく、水田のそばにある小さな用水路を使い、スコップをオールに見立てて練習を重ねた。実際の感覚とは違うものの、筋力を鍛え、チームワークを育てるのに役立った。

 メンバーの多くは集落以外の学校に通う学生だったが、休日には台東に戻り、練習に参加した。集落で生活する若者たちも、時間さえあれば用水路へ向かい、自主練習を重ねた。

 しかし、台東県は昨年、チームが「雪辱戦」と位置付けていたドラゴンボート大会を開催しないことを決めた。「台東県がドラゴンボート大会を開催しないと知って、みんな空気が抜けた風船のように意気消沈した」と王志偉さんは振り返る。

 しかし、「台東がダメなら、外に出て行こう」と気持ちを切り替えたチームは、正式に巴拉雅拜ドラゴンボートチームを結成。まずは昨年、台湾東部・花蓮県が開催したドラゴンボート大会で優勝し、今年は台東県東港鎮で開催された大会でも2位となり、このほど開催された韓国での大会に出場する機会を得た。

 若者に呼びかけてチームを結成しようと思った理由について王志偉さんは、「一つは、集落にいる若者に、何もせずに酒ばかり飲むような人になって欲しくなかったから。もう一つの理由は、集落の力を結集させたいと思ったから。かつて集落の人々は綱引きチームを結成していた。しかし、メンバーはすでに高齢化を迎えている。若者には力がある。それならドラゴンボートチームを結成しようと思った」と振り返る。

Taiwan Today:2017年9月5日

写真提供:王志偉さん提供、中央社
 台湾南東部・台東県鹿野郷にあるアミ族の集落「巴拉雅拜(Palayapay)」出身の若者らがこのほど、韓国・釜山で開催された「2017コリアオープン釜山国際ドラゴンボート大会」に出場し、金メダル3個、銀メダル1個を獲得した。写真は、水田そばの用水路でスコップを使って練習を重ねる若者たち。