陳副総統、バチカン宗教対話評議会のジャン=ルイ・トーラン枢機卿と会見
陳建仁副総統は17日午後、バチカンの教皇庁諸宗教対話評議会議長を務めるジャン=ルイ・トーラン(Jean-Louis Tauran)枢機卿の表敬訪問を受けた。トーラン枢機卿は今回、同評議会と台湾におけるカトリック主教団、及び霊鷲山仏教教団が共同開催した「第6回仏教徒-キリスト教徒対話国際シンポジウム」に出席。陳副総統は、このシンポジウムは中華民国(台湾)における宗教を超えた対話を豊かにするばかりでなく、異なる宗教間の平和を促し、善意を伝えるものだと評価した上で、信仰を超えた対話を実現するシンポジウムや座談会がより多く台湾で開かれることを期待した。
陳副総統は、今年のシンポジウムのテーマである「仏教徒とキリスト教徒が肩を並べて共に歩む非暴力の道」は現在の世界にとってとりわけ大きな意義を持つと指摘、「肩を並べて共に歩む」という理念は我々がみな「同じ一隻の船に乗っている(運命共同体であること)」事実を示しており、協力こそが問題をより上手に解決する方式であると強調した。陳副総統は、「同舟共済(互いに力を合わせて難関を切り抜けること)」は、自分が全体の一部分であることを認識させるが、全ての国、特に多元的な文化を持つ民主国家にとって、「同舟共済」の環境、コンセンサス、国家共同体の意識を創り出していくことは大きな課題だと述べた。
陳副総統は、中華民国政府がこの課題に対処する方法は「寛容性」を優先項目として政策に取り入れていくことだとし、人権保護を例に、弱者をはじめとする全ての人にそれを広げ、信仰の自由など様々な自由を保障していると説明した。幸い、台湾における信仰の自由は長く続いているため、異なる宗教に対する容認にとどまらず、心を開いてそれを受け入れ、前向きに評価するまでになっている。陳副総統によれば、こうした「相手をすばらしいと思う心」は時に大変個人的なものなので、台湾で、カトリックの故・単国璽枢機卿が生前、仏教の星雲大師とずっと友人であったことは全く意外ではなかった。彼らはそれぞれが異なる宗教を代表していたが、慈悲の心と同情心、寛容性と非暴力の考え方で一致していた。陳副総統は、自分たちはこうした社会を大切にしながら、信仰を超えた対話を実現する、より多くのシンポジウムや座談会が台湾で開かれることを願っていると述べた。
ローマ教皇フランシスコは10月、蔡英文総統に書簡を送り、中華民国の双十国慶節を祝った。フランシスコは書簡の中で台湾の人々に対し、継続的な平和の推進、並びに団結と力の結集を呼びかけた。陳副総統は、蔡総統及び台湾の人々はフランシスコの激励に深く感謝しているとした上で、中華民国政府は常に平和的手段で争いの解決にあたっており、フランシスコが今年の「世界平和の日」のメッセージで示した、「積極的な非暴力による平和構築は必要であり、それは教会が不断の努力で武力の使用を制限しようとする考え方に合致する」との教えに呼応していると説明。さらには、この地域において台湾が今後も全世界の教会と中国大陸の教会とを結びつける懸け橋としての役割を果たしていくことを表明した。
陳副総統は、トーラン枢機卿が蔡英文総統の心からのあいさつをフランシスコに伝えてくれるよう要請すると共に、カトリックの信者は台湾で増え続けているとして、いつの日かローマ教皇の訪台が実現するよう希望した。
Taiwan Today:2017年11月20日
写真提供:総統府
陳建仁副総統(写真)が17日、バチカンの教皇庁諸宗教対話評議会議長を務めるジャン=ルイ・トーラン枢機卿の表敬訪問を受け、みなが協力して問題解決にあたる重要性を強調した。