蕭次期副総統が欧州を歴訪、欧州議会のリーダー及び大物議員らと交流
今年1月に行われた正副総統選挙で次期副総統に当選した蕭美琴氏(以下、蕭次期副総統)が欧州議会における各党派の大物議員による招きを受けて欧州議会を訪問、オトマール・カラス(Othmar Karas)第1副議長らと会談した。次期副総統当選者が就任前に招きに応じて欧州を訪問するのは初めてで、外交部(日本の外務省に相当)は、「台湾と欧州連合(EU)が理念と価値で結び付いたパートナーであることが示された」としているほか、「訪問の成功は台湾が台湾海峡の平和と安定を全力で維持していることに対する欧州側の理解の強化につながる。また、台湾とEUとの各分野における連携の深化と拡大にも資する」とコメントしている。
蕭次期副総統は訪問期間中、欧州議会で対中関係代表団の団長を務めるラインハルト・ビュティコファー(Reinhard Bütikofer)議員ならびに親台湾派議員グループのミヒャエル・ガーラー(Michael Gahler)代表ら、中国による制裁対象となっている欧州議会の議員と対面したほか、同議会外交委員会、対中関係代表団、親台湾派議員グループのメンバーと、台湾とEU共通の関心事についてそれぞれ意見を交わした。
蕭次期副総統はまた、親台湾派議員グループのガーラ―代表が開いた歓迎レセプションに出席。会場には同副代表のアンドレイ・コバチェフ(Andrey Kovatchev)議員、ドミニク・リケ(Dominique Riquet)議員、エストニアの元首相のアンドルス・アンシプ(Andrus Ansip)議員、ポーランドの元外務大臣であるアンナ・フォティガ(Anna Fotyga)議員、ベルギー議会における親台湾派議員グループの共同代表のジョルジュ・ダルマーニュ(Georges Dallemagne)議員ら、重要な親台湾派議員と各党議員団の政策顧問が姿を見せた。蕭次期副総統は親台湾派議員グループのメンバーたちの長期にわたる台湾への揺るがぬ支持に感謝すると共に、EUがこれからも具体的な行動で台湾をサポートしてくれることに期待を寄せた。
このほか蕭次期副総統は今回、欧州のシンクタンクの招きに応じ、チェコ、ポーランド、リトアニアなども訪問。チェコのミロシュ・ビトルチル(Miloš Vystrčil)上院議長と下院のヤン・バルトシェク(Jan Bartošek)副議長、リトアニアのヴィクトリヤ・チミリーテ゠ニールセン(Viktorija Čmilytė-Nielsen)国会議長、ポーランド上院のミハウ・カミンスキ(Michał Kamiński)副議長ら欧州各国の議会関係者と対面したほか、各国の親台湾派議員グループのメンバー、ならびにバルト三国それぞれの議会の外交委員会委員長と交流した。
蕭次期副総統はまた、「民主主義と安全保障」を主なテーマにチェコのシンクタンク「シノプシス(SINOPSIS)」、ポーランドのシンクタンク「カシミール・プラスキー財団(Casimir Pulaski Foundation, CPF)」、リトアニアの「ヴィリニュス大学国際関係政治科学研究院(TSPMI)」でそれぞれ講演。蕭次期副総統は、「軍事的抑止力を強化する」、「経済安全保障を高める」、「民主主義のパートナー国との連携を進める」、「台湾海峡両岸の現状を守る」を四つの柱とした台湾の主張を説明すると共に、EUが台湾と経済連携協定を締結し、地域の平和と安定及び繁栄に対するEUのコミットメントと自信を示すよう要請した。
蕭次期副総統はこのほか、ポーランドの「ニコラス・コペルニクス・アカデミー(Nicolaus Copernicus Academy)」を表敬訪問し、台湾とポーランドによるウクライナ支援プロジェクトの成果を確認。また、台湾の奨学金の支援を受けているウクライナの大学院生(博士課程)と対面して歓談した。
Taiwan Today:2024年3月25日
写真提供:外交部
今年1月の正副総統選挙で次期副総統に当選した蕭美琴氏が欧州議会の大物議員らの招きを受けて欧州議会を訪問し、カラス第1副議長らと会談。中東欧諸国も歴訪した。写真は蕭次期副総統(左)とカラス第1副議長(右)。