「GCTF越境詐欺対策国際ワークショップ」、台米日豪英が詐欺取り締まりで多角的連携へ

　外交部（日本の外務省に相当）、米国の対台湾窓口機関・米国在台協会（AIT）、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会、台湾におけるオーストラリア大使館に相当するオーストラリア弁事処、同イギリス大使館に相当するイギリス在台弁事処による「GCTF越境詐欺対策国際ワークショップ（GCTF International Workshop on Combating Transnational Fraud）」が25日から27日まで台北市内のホテルで行われている。同ワークショップは行政院（内閣）詐欺対策オフィスが関係部署を指導し、全ての警察行政を担当する内政部警政署が実施した。

　GCTF（グローバル協力訓練枠組み）は2015年に台湾と米国によって立ち上げられた。現在はこれに日本と豪州が加わり、重要なプラットフォームとして、4者が関心を寄せるグローバルな議題についてワークショップを開催し、各国の経験を共有したり議論を交わしたりしている。

　ワークショップには世界24カ国から40名近いスピーカーや受講者、台湾で詐欺防止に関わる職員、専門家など合計270名が参加し、詐欺犯罪を防ぐための戦略を検討している。

　開幕式では陳建仁行政院長（＝首相）、米国在台協会台北事務所（AIT/T）のサンドラ・オウドカーク所長、日本台湾交流協会の片山和之代表、オーストラリア弁事処のDaniel Stuart副代表、イギリス在台弁事処のTom Burn副代表がそれぞれあいさつ。陳行政院長は詐欺グループの「プロ化」を指摘、様々な手法で人々の生活に入り込んでは巨額の損失をもたらしていると批判した。グローバル・アンチスキャム・アライアンス（GASA）とデータサービスを提供するスキャム・アドバイザー社が昨年発表した調査報告によれば、全世界の人々の25.5％が詐欺に遭い、損失額は1兆米ドルを上回るなど、詐欺犯罪がすでに個人の財産の安全のみならず国際的な金融秩序にも深刻な損害を与えていることがわかる。

　警政署は、詐欺は政府がずっと関心を払っている問題で、今回のセミナーでは各国における詐欺摘発の経験共有にフォーカスしていると説明。「詐欺犯罪の現況、見通し、防止策」、「金融業における詐欺対策の効果と行動」、「詐欺防止に向けた電信とネットでの措置」、「詐欺摘発におけるデジタルトラスト技術（デジタル世界への信頼構築技術）の応用」、「国境を越える詐欺犯罪取り締まりの難点とその解決法」など電信、金融、デジタル、法執行などの面で幅広い討論を行っている。警政署は、「国内外の受講者が交流し、詐欺対策を共同で検討できるよう期待する」とコメントしている。

Taiwan Today：２０２４年３月２６日

写真提供：内政部警政署サイトより
　「GCTF越境詐欺対策国際ワークショップ」が25日から27日まで台北で開催。国内外の専門家や関係者が詐欺犯罪を防ぐための戦略を検討している。写真は開幕セレモニーの様子。

「GCTF越境詐欺対策国際ワークショップ」、台米日豪英が詐欺取り締まりで多角的連携へ

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