中華民国政府「比・中国大陸の南シナ海の仲裁裁判判決」声明（和訳）

（総統府）

中華民国（台湾）政府「比・中国大陸の南シナ海の仲裁裁判」への立場

105.7.12

《国際連合海洋法条約》に基づいて、フィリピンが申し立てた「フィリピンと中国大陸間の南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判」に対して、国際仲裁裁判所は仲裁判断を下した。

我々中華民国は、南沙諸島及び関係海域の国際法及び海洋法上の権利を享有している事を主張する。本案に関して、国際仲裁裁判所は審理中、中華民国に対し、正式に仲裁裁判への参加の申し出や意見を求めていない。この度の仲裁判決に関し、特に太平島に対する認定は、我が国の南沙諸島及び関係海域の権利においての損失は甚だしい。我々は、この判断は中華民国に対し拘束力はないものであると主張する。

我々は再度、南沙諸島及び関係海域の主権は中華民国が所有することを厳粛に主張する。中華民国は、この立場を固持し、我が国家領土及び主権を確固として防衛する。また、我が国家に対し、利益を損なういかなる情勢にも譲歩しない。

南シナ海の紛争は、多国間協議で平和的に解決すべきであると主張する。また、平等的な協議の下、関係国家が南シナ海区域の平和及び安定を共同促進していく事を望む。

中華民国外交部声明

ＳＴＡＴＥＭＥＮＴ

第002号　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 2016/7/12

中華民国外交部「南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判」への立場

中華民国政府は、常設仲裁裁判所が下した「南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判」の判決結果について、完全に受け入れない。また、その結果は我が国に対していかなる法律拘束力もないものとする。理由は下記のとおりである。

判決の本文中、我が国の呼び名に相当しない「中国台湾当局（Taiwan Authority of China）」と表記し、主権国家としてのわが国の地位を低く評価したものである。

太平島は、フィリピンが要求した申請の要求目的でないにも関わらず、仲裁裁判所は、権利を拡張し、我々の統治下である太平島及び、ベトナム、フィリピン、マレーシア等諸国が所領する島々の全てを「岩礁」とし排他的経済水域（EZZ）を形成しないものとした。これは、我々の南沙諸島の法律地位及び関係海域権利に甚だしく損害を与えるものである。

中華民国は、南沙諸島及び関係海域における国際法及び海洋法上の権利を享有している事に疑いの余地はない。本案について、仲裁裁判所は、審理中に、我が中華民国に対し、正式に仲裁裁判への参加の要請や意見を求めていない。従って、この本案の判決は中華民国に対し、如何なる法律拘束力も有しないものとする。

中華民国政府は再度、南沙諸島は中華民国の領土であることを強調する。

我が政府は、我が国家の領土及び関係海域の権利を確固として防衛する。

中華民国は、南シナ海紛争に関して、多国間協議をし、「紛争を棚上げし、共同開発する」という対応方法に基づいて、平和的に解決すべきあり、我が国は平等的な地位を以て多国間協議にて機制が解決されるべきであると主張する。平等な多国間協議の基礎の上で、関連諸国が南シナ海区域の平和及び安定を共同促進していく事を望む。