李逸洋・駐日代表夫妻が岩手県台湾華僑総会主催の「東北六県華僑親睦会」に出席
李逸洋・駐日代表は夫人を伴い11月6日、岩手県台湾華僑総会主催の「東北六県華僑親睦会」に出席した。今回の親睦会には東北地区の僑胞界のリーダーおよび日本政界、ビジネス界の代表らが集まった。これは東北六県の僑胞団体の団結と求心力を象徴するのみならず、台日の深い友好関係および両国の長期にわたる観光、文化、農業、経済、教育などの各レベルでの密接な交流の成果を大いに示すものとなった。
李・駐日代表はあいさつの中で、「東北地区のエリアは広く、各地にいる僑胞が集まるのは簡単なことではない」と述べ、岩手県台湾華僑総会の南郷成民会長が、今回の親睦会開催の準備に尽力したことに感謝の意を表すと共に、今回の交流を通じて東北地区の僑胞の絆と団結力がより一層深まるよう期待を寄せた。
さらに、岩手県および東北地区の僑胞界による今年の花蓮台風水害への支援や思いやりにも感謝の意を表した。また同時に、2024年の花蓮地震の際、日本各界から慰問のメッセージや多くの義援金が寄せられたことを振り返り、「当時、代表処の約100名の職員は、一カ月連続で毎日慌ただしく、日本各界から寄せられた慰問の言葉や問合せの電話を受け、日本の皆さんからの善意に満ちた温かい友情を深く感じた。また、東日本大震災の際には、台湾人は約200億円の義援金を贈った。当時、岩手県、宮城県、福島県などは被災状況が深刻だったが、現在、これらの地域はすでに復興を成し遂げた。その揺るぎない不屈の精神に台湾の人々は深く感動した」と述べた。
李・駐日代表は、「台湾と日本は何度もの災害の試練の中で、いつも手を携えて歩み、互いに助け合ってきた。自然災害の脅威と試練に直面しても、両国国民の心は常に密接に繋がっており、その絆は家族のように深く、繰り返される相互の助け合いと思いやりを通して、唯一無二の真の絆が結ばれた」と強調した。
岩手県と台湾の関係についても、「双方間の歴史や文化の繋がりは長く深い。岩手県出身の後藤新平氏や新渡戸稲造氏の二人の先達は、台湾の近代化、農業、教育の発展に卓越した貢献をしてきた。彼らの精神は台湾と岩手県をむすぶシンボルとなっている」と述べた。
経済の発展について、李・駐日代表はデータを用いて台湾の成功を説明した。それによると、台湾の人口は2,300万人で、これは世界で57位に過ぎないが、台湾株式市場の市場規模(時価総額)は世界第8位である。2025年第2四半期の実質GDP成長率(速報値)は前年同期比8%増を上回り、第3四半期は前年同期比7.64%増となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)が予測した通年のGDP成長率は7%に達する。そのほか、一人当たりGDPは来年(2026年)に4万米ドルを突破することが見込まれている。TSMC(台湾積体電路製造)の株価の時価総額は世界第10位にランキングされており、この1企業が日本のトップ6企業の株価時価総額に匹敵する。同社の熊本第一工場はすでに順調に稼働し、第二工場もすでに工場建設が始動している。李・駐日代表は「これは、台日双方が半導体分野において、信任を基礎とする協力のモデルが確立したことを象徴している」と述べた。
台日間における農産品貿易の活気ある発展についても、「日本は台湾のパイナップル、バナナ、マンゴーの最大の輸出相手国である。一方、台湾は日本のリンゴ、ブドウ、山芋、柿の最大の輸出市場であり、日本の桃、和牛、イチゴ、梨では第2位の輸出国だ。台湾の人口は日本のわずか5分の1にも満たないが、このように日本の農産品を大いに支持しており、これは台日友好の最も良い証明である」と強調した。
李・駐日代表は、かつて防衛庁長官および農林水産大臣を歴任した玉澤徳一郎・元衆議院議員が今回出席し、台湾を支持していることに感謝の意を表した。李・駐日代表は1999年当時、陳水扁氏が総統選挙の立候補期間中に日本を訪問した際、玉澤先生自らが、5名の現職大臣との個別会談をセッティングしてくれたことや、その他にも当時の森喜朗・衆議院議員、麻生太郎・衆議院議員らも含め20名の国会議員を招き、きわめて意義の深い交流会を行ってくれたことなどを振り返り、当時、李・駐日代表も陳水扁氏に同行していたことから、「今でも、当時の記憶を鮮明に覚えている」と述べた。李・駐日代表は、「玉澤先生は、台湾初の政権交代を陰で支えた重要な人物であり、陳水扁・元総統が最も感謝する友人の一人だ。先生が長年にわたり台湾の民主主義および台日関係を支持してきたことに改めて深い感謝と敬意を表する」と述べた。
岩手県台湾華僑総会の南郷会長は、あいさつで「東北六県の華僑親睦会はすでに40年余り続いている。これは、僑胞界の絆をつなぐ重要なプラットフォームであり、台日両国民間の深い感情は、共通の歴史と相互信頼が基になっている」と強調した。岩手県の達増拓也・知事の代理としてあいさつした八重樫幸治・副知事は、東日本大震災および大船渡林野火災の際に台湾からの惜しみない支援に対し感謝の意を表し、「台湾と岩手県は災難の試練を通して積み重ねられてきた真の友だ。引き続き各分野における協力を深めていきたい」と述べた。盛岡市の内舘茂・市長の代理としてあいさつした中村一郎・副市長は、「盛岡市は2019年に花蓮市と『友好都市協定』を締結して以来、双方の各分野の交流は大きな成果を上げている。このような友好の絆を子々孫々までつなげていきたい」と述べた。
玉澤・元衆議院議員は、「私は政治家としての生涯の中で、一生を通してマルクス主義と共産政権に対抗してきた。それゆえ、一貫して自由民主、自由の台湾を支持してきた。台湾は日本の信頼する価値のある、守るべき友人である」と力強くあいさつすると、会場から一斉に大きな拍手が沸いた。
翌日(11月7日)、岩手県台湾華僑総会は、李・駐日代表夫妻と僑胞等のために、県内の岩泉町訪問を特別に手配した。訪問の中で岩泉町からの代表者があいさつに駆けつけ、2016年に被災した台風10号災害の時に台湾から早々に支援を受けたことに改めて感謝の意を表した。李・駐日代表は、「現在の台日関係はこれまでで最良の状態にある。地方自治体レベルの交流は、両国国民間の真の友情を最も表しており、今後も引き続き、さらに多くの県および市による協力と交流の相互訪問を推進していきたい」と期待を寄せた。

写真:李逸洋・駐日代表夫妻(左7・8)、南郷成民・岩手県華僑総会会長(左6)、羅鴻健・日本中華聯合総会会長(左5)および東北地区の僑胞界リーターたち

