電動スクーターの充電・電池交換ステーション、5年内に3,310カ所設置
ドイツ、そしてイギリスとフランスが2030年と2040年にガソリン車の販売を禁止すると発表する中、行政院(内閣)は大気汚染の改善と産業の発展促進に向けて、経済部(日本の経産省に相当)、交通部(同国交省に類似)、行政院環境保護署(同環境省に相当)が協力して電気自動車や電動オートバイ(スクーター)を発展させるよう要求している。目標は、2030年にバスと公務車両を全て電気自動車とし、2035年には化石燃料を使用するオートバイの販売を禁止、2040年には化石燃料を使用する自動車の販売を禁止すること。
経済部工業局は台湾区車両工業同業公会(車両工業同業組合)及び業界各社と議論を重ねた上で、向こう5年間に電動スクーターの充電及び電池交換ステーションを3,310カ所設置できるよう経済部がサポートしていくことを決めた。電池交換ステーションは、スクーターに搭載された電池を充電済みのものと交換することで、ユーザー(スクーターに乗る人)が自分で充電する手間を省いたもの。
3,310カ所のうち1,000カ所は国営企業の台湾中油株式会社が直営のガソリンスタンドに設置する。費用は政府が全額補助する。使用頻度を考慮し、その他の2,310カ所は台湾高速鉄道や在来線・台湾鉄道の周辺の駐車場、並びに各公共の駐車場に設置する。これは民間の業者が設置する。経済部工業局ではまた、業者がスーパーマーケットの全聯福利中心(PXMart)、コンビニエンスストアの統一超商(セブンイレブン)などの玄関に電池の交換ステーションを設置するのをサポートする。1カ所につき最大で30万台湾元(約113万日本円)を補助する。
3,310カ所は充電ステーションが1割で電池交換ステーションが9割の計画。しかし、今後市場の状況に応じて並行して調整していく。昨年設置された充電・電池交換ステーション1,700カ所と合わせて5,010カ所が整備されるわけで、経済部では新たな「電動スクーター発展5カ年計画」が予測する車両数22万6,000台のニーズを満たせると見ている。
各省庁を跨いだ協力の面では、交通部が今年、電動スクーター専用のナンバープレートの発行をスタートさせた他、電動スクーター専用の駐車スペース整備と駐車料金の優遇を行う。内政部(日本の省レベル)は建築法規で駐車場に充電用ケーブルのスペースを保留することを義務付ける。環境保護署は大気汚染防止法を改正し、製造から10年以上となったオートバイを対象とした排ガス規制を強化する。また、企業平均燃費(Corporate Average Fuel Economy, CAFE)を段階的に厳しくすることで、メーカーを電動オートバイの生産に向かわせるなど、様々な措置を用いて、2035年には化石燃料によるオートバイの販売を禁止するという目標実現にまい進する。
経済部は2009年より電動オートバイの使用を奨励、2011年からは電気自動車と電動バスを一部で導入してモデルとしての運行を行っている。これらの取り組みにより、過去数年で台湾全土に設置された自動車とバス用充電ステーションは800カ所に。運行している電動バスは290台、電動スクーターの累計販売台数は10万台を超え、電動スクーターの充電ステーションも1.800カ所以上となるなど、電気自動車や電動スクーター産業の未来の発展の基礎が築かれている。
Taiwan Today:2018年1月4日
写真提供:中央社
電気自動車や電動スクーターの発展を目指す政府は、向こう5年間に電動スクーターの充電及び電池交換ステーションを3,310カ所設置できるようサポートしていく。写真は電池交換ステーション。充電済みの電池を抜き出して専用のスクーターにはめ込めばそのまま走行できる。