台中市にINGOセンター、「台中から世界へ、世界を台中へ」=陳副総統
陳建仁副総統は12日午後、台湾中部・台中市に設置された「INGO(国際的非政府組織)センター」の開所式に出席した。この日は、ドイツの2つの非政府組織(NGO)の入居式と、台中市消防局捜救犬隊(=災害救助犬チーム)の災害救助犬に対する表彰式も同時に行われた。
陳建仁副総統は、台中市消防局捜救犬隊の隊員らの勇気と献身に感謝すると共に、INGOセンターの設立に尽力し、海外のNGOの入居を促し、交流を深めてきた台中市の取り組みを評価した。陳建仁副総統は、「台湾を、そして台中を世界に売り込み、同時に全世界を台中へ呼び込むものだ」と称えた。
INGOセンターは台中市霧峰区坑口里の光復新村に位置する。ここはかつて台湾省の職員宿舎があり、台湾最初の田園都市として開発された場所。陳建仁副総統は「過去60年、台湾省の省機能凍結や台湾大震災(1999年9月21日)などを経て、かつての栄光は失われていったが、その魅力は依然として衰えることはない。台中市がこの場所にINGOセンターを設置することは、非常に意義のある選択だ」と述べた。
陳建仁副総統はさらに、「NGOは台湾の誇りだ。なぜなら台湾には市民社会に十分なエネルギーがあり、国家の改変を間断なく推進してきた。また、国際社会のさまざまな活動にも積極的に参加してきた。台湾が外交上の苦境に立たされている現在、NGOは台湾と世界をつなぐ重要なパイプである。INGOセンターを設置し、海外のNGOを台中に呼び込み、さまざまなイベントを行うことは、この古い田園都市に新たな息吹を吹き込むだけでなく、台中を世界へ売り込み、台中が新たな国際舞台へと向かって歩き出すきっかけになるだろう」と語った。
INGOセンターにはこの日、ドイツ連邦救助犬協会(BRH Bundesverband Rettungshunde e.V.)とドイツ災害救助隊(I.S.A.R.Germany)の2つのNGOが、それぞれ「徳国連邦救難犬協会-台中分会」と「徳国国際捜救隊-台中分会」の名称で正式に入居した。台北駐ドイツ経済文化代表処ミュンヘン弁事処(ミュンヘンにおける中華民国領事館に相当)によると、そのうちドイツ災害救助隊は国際連合人道問題調整事務所の正式な認可を受けた国際救助組織。
陳建仁副総統はこれについて、「台中市消防局の救助隊の実力は、台湾だけでなく海外でも評価されている。そのため今回、ドイツで最大で長い歴史を持つドイツ連邦救助犬協会とドイツ災害救助隊がINGOセンターに入居し、我々の人材育成計画に参加し、国内外の救助隊交流や演習に協力してくれることになった」と歓迎した。
陳建仁副総統はこの日、台中市消防局捜救犬隊の災害救助犬である「鉄雄」と「腿腿」に謝意を伝えた。この災害救助犬2頭は2月上旬に発生した花蓮地震で、行方不明者の救出に貢献。救助隊の日頃からしっかりと訓練を行っていたことから、緊急事態においてそのチームワークを最大限に発揮できたことを証明した。なお、「鉄雄」は捜救犬隊の小隊長であり、「一線4つ星」の階級章が与えられている。
Taiwan Today:2018年3月1日
写真提供:台中市公式サイトより
陳建仁副総統(左から2人目)は12日、台湾中部・台中市に設置された「INGO(国際的非政府組織)センター」の開館式に出席した。この日は、ドイツの2つの非政府組織(NGO)の入居式と、台中市消防局捜救犬隊(=災害救助犬チーム)の災害救助犬に対する表彰式も同時に行われた。写真左はドイツ在台湾協会(台湾におけるドイツ大使館に相当)のHenning Hansen副主任、左から3人目は台中市の林佳龍市長、同4人目はドイツ災害救助隊(I.S.A.R.Germany)のMichael Lesmeis氏。