陳副総統がCOMPUTEX開幕式へ、「台湾の科学技術で世界を驚かせよう」
陳建仁副総統は5日午前、アジア最大規模を誇るICT専門の国際見本市「台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)」の開幕式に出席した。陳副総統は開幕式で祝辞を述べたほか、その後実施された「COMPUTEX d&i賞」、「ベスト・チョイス・アワード」などの授賞式にも出席した。
陳副総統は開幕式で、「運営事務局の36年間にわたる努力が実を結び、COMPUTEXはすでに、世界のハイテク産業にとって『指標となる貿易プラットフォーム』という地位を確立している。また、市場の動向を注視し、業界の重鎮やスタートアップ企業を集め、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ブロックチェーン、第5世代移動通信(5G)など近年の科学技術のトレンドを一挙に示し、未来の展望を持ったテクノロジー・エコシステムを構築している」と評価した。
続けて、「台湾は『ハイテクアイランド』とも称されており、過去にはICT製品の製造分野で、世界のサプライチェーンにおける重要な役割を果たしてきた。また、これは台湾の経済発展にとって、各国がうらやむほどの貢献をしてきた」と指摘した。また、近年のICT産業の発展について、「自動化や無人化の応用が生産効率を大幅に向上させ、とりわけスマートテクノロジーの発展は私たちの科学技術への想像を大きく拡大させている」と述べた。また、「関連する複数の産業や領域を統合する能力は、台湾企業の事業転換をけん引し、台湾を外資の投資協力や若者の起業にとって重要な舞台とするなど、無限のビジネスチャンスを生み出す可能性を持っている」と語った。
また、蔡英文総統が総統就任後に最も重視している目標の一つが、産業全体の体質の調整、スタートアップ支援、経済競争力の向上だとした上で、ICT産業における台湾の地位を維持するため、台湾にとってスマートテクノロジーの発展は外せないものだと強調した。
蔡英文総統は「5+2産業イノベーション計画」を推進しており、その一環である「アジア・シリコンバレー計画」は台湾におけるIoT(モノのインターネット)関連のスタートアップやイノベーションのエコシステムを支えている。IoT関連の新しい企業が、すでに顕著な成長を見せているほか、台湾の6つの直轄市におけるスマートシティ発展の経験が徐々に、その他の16県・市にも広がっている。また、大手外資系企業が台湾の今後の発展を見込み、相次いで研究・開発や人材育成分野で対台湾投資を強化している。
これに加え、人工知能(AI)の発展に対応するため、政府は5年間で160億台湾元(約590億日本円)を投じて、ハイテク分野の高度人材の育成し、イノベーション研究センターの設置し、AI研究・開発及びクラウドサービスなどのインフラ建設を進めることを決めている。これにより、台湾が強みとする半導体産業の技術開発と、半導体産業への応用などを支援するのが狙い。
陳副総統はこうした事例を紹介した上で、台湾では民間レベルで膨大なパワーを蓄積しており、近年、「台湾5G産業発展聯盟」、「台湾人工智慧(=AI)学校」、「金融区塊鏈(ブロックチェーン)技術與応用委員会」などの機関が相次いで誕生し、政府の資源、業界、学術機関の人材などと協力し、台湾の科学技術の発展を支えていると説明した。
COMPUTEXの開催は9日まで。
Taiwan Today:2018年6月6日
写真提供:総統府サイトより
陳建仁副総統(写真)は5日午前、アジア最大規模を誇るICT専門の国際見本市「台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)」の開幕式に出席した。