台日共同制作の『繍襦夢』、日本での初公演で絶賛

台日共同制作の『繍襦夢』、日本での初公演で絶賛

img20180611135335184_800

 中華民国(台湾)の国立京劇団である国光劇団と日本の横浜能楽堂(神奈川県横浜市西区にある能楽専門の公演場)が共同制作し、崑劇(音楽の部分は崑曲と呼ぶ)や舞踊、三味線を融合すると共に現代音楽と人形劇も加えた作品、『繍襦夢』が9日に日本の横浜で初公演された。同作品は台湾と日本がそれぞれの伝統演劇を結び付けた芸術のイノベーションで、9日午後に「花開く伝統-日台の名作と新作」と銘打って横浜能楽堂で上演された。

 演目は3部に分かれ、第1部では国光劇団の温宇航さんと劉珈后さんが古典的な崑劇の「牡丹亭」から、杜麗娘が柳夢梅を夢に見る場面である「驚夢」を披露。第2部では日本の水木佑歌さんが日本舞踊で「藤娘」を舞った。絵から飛び出した藤の精がただ1人、愛を求める心情を踊りで表現するもの。

 第3部は崑劇の『繍襦記』を原型に、崑曲と舞踊、三味線を交え、さらに現代音楽と人形劇を加えて新たに創り上げた『繍襦夢』。80歳となった唐の時代の書生、鄭元和(温宇航)が河畔で自らの一生を振り返る。李亜仙(劉珈后)との初恋や科挙のため上京を急いだことなどを振り返り、夢か現実かもわからない中で、切ない気持ちと美しい思い出が交錯する。『繍襦夢』には崑曲以外に、日本の伝統的な長唄、及び常盤津文字兵衛氏の三味線が加わる。

 国立伝統芸術センター(台湾北東部・宜蘭県)に属する国光劇団の張育華団長は、京劇の大家である梅蘭芳が1919年に初めて日本を訪れて旋風を巻き起こしたことに触れ、同じ京劇団である国光劇団が今回、日本で公演できることは大変光栄なことだと語った。張団長はそして、いずれもユネスコの無形文化遺産として認められている演劇である崑劇と能を双方が互いに学べる他、最も重要なのは共同制作で、「百年に一度しか見られないような」貴重な機会だと今回の公演の意義を強調した。

 張団長は、「公演までの過程において我々は相手方の文化を理解するだけでなく、本当に近距離でその文化の深さと繊細さに触れることができた。その成果は極めて大きく、将来もこうした深い交流が可能な機会があるよう願いたい」と述べた。

 日本の伝統演劇を愛するという女性、西口さんは観劇後に絶賛、「本当に良かった。まるで夢の世界であり、財産をもらったかのようだ。良い思い出になる。感謝したい」と話した。

 『繍襦夢』の出演者とスタッフは10日に新潟、16日には愛知県豊田市で公演。17日に再び横浜能楽堂に戻って上演する。17日の第1部は『繍襦記』の一場面である「打子」、第2部は日本舞踊の「汐汲」、そして第3部では新たに創作された『繍襦夢』を上演する。また、9月8日と9日には台中国家歌劇院(台湾中部・台中市)で、14日から16日までは台湾戯曲センター(同北部・台北市)で上演される。

Taiwan Today:2018年6月12日

写真提供:中央社
 台湾の国光劇団と日本の横浜能楽堂が共同制作し、崑劇や舞踊、三味線を融合すると共に現代音楽と人形劇も加えた作品、『繍襦夢』が9日に日本の横浜で初公演された。