APECの食品ロス・廃棄削減計画、台湾主導で成果発表

　行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）は、アジア太平洋経済協力会議（APEC）の今年の議長国、パプアニューギニアと共同で14日、15日の2日間にわたり、台北市内で「2018年APEC政府と民間のパートナーシップ強化による食品ロス・廃棄削減の提言で持続可能なAPECの食糧体系促進を」と題したハイレベル政策対話会議および「食品ロス・廃棄削減のイノベーション展」を行った。米国、中国大陸、日本、ニュージーランド、タイ、ベトナム、チリ、フィリピン、台湾などAPECの16エコノミーおよび政府・民間部門の代表100人余が出席した。

　会議と同時開催の「食品ロス・廃棄削減のイノベーション展」では、台湾が2013年から行ってきた数年をかけた計画の具体的な成果と、台湾の政府・民間がこの分野で取り組んできた新しい技術と実質的な業績を紹介した。

　台湾は2013年にこのプロジェクトの経費負担および実行を引き受け、ことしは総まとめの年度となっている。この間、各エコノミーの政府・民間の取り組みと協力し、穀物、青果、水産、畜産をめぐる食品サプライチェーンにおける食品ロスおよび小売と消費者の段階における食品廃棄問題を系統的に検討。これを抑制するツールキットを確立し、取り組みの中での成功モデルを紹介するなどしてきた。さらに最先端のテクノロジーを活用して、食品サプライチェーンの各項目における食品ロス・廃棄の削減を支援してきた。

　この問題をめぐる台湾の研究によれば、APEC地域の食品ロス・廃棄は年間約6.7億トンで、これはアジア太平洋地域の貧困ライン以下の人口（約8億人）の1年分の需要をまかなえる量である。APECの各エコノミーがこれを10％ずつ削減できれば、全体で143億米ドル相当の社会福祉増が見込めることから、この問題の抑制は一刻を争う深刻な課題であることが明らかだ。

　台湾とパプアニューギニアの共催での今回の会議では、各エコノミーの代表から各自の政策の取り組みと成果が報告されたほか、日本企業の低温物流事業部門や、オーストラリアの食品コールドチェーン事業者の協会、台湾の消費者団体およびフードバンク団体といった民間部門の代表からそれぞれこれまでの実務的な取り組みが紹介された。

　会議では台湾からアジア太平洋地区の食糧ロス・廃棄削減についての具体的な手法と将来の青写真を提示、各エコノミー代表の支持を得られれば、今年8月にパプアニューギニアで行われるAPECの「食料安全保障ウイーク」での会議で承認を受ける見通しだ。アジア太平洋諸国の食品ロス・廃棄抑制の取り組みにおいて参考にしたり根拠にしたりすることができるもので、アジア太平洋地域における食糧安全保障分野での台湾の貢献がアピールできると見込まれる。

Taiwan Today：２０１８年６月１５日

写真提供：中央社
　行政院農業委員会は、アジア太平洋経済協力会議（APEC）の今年の議長国、パプアニューギニアと共同で食品ロス・廃棄削減計画に関するハイレベル会議を台北市内で開催した。

APECの食品ロス・廃棄削減計画、台湾主導で成果発表

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