「アジア・太平洋国会議員連合」(APPU)第83回理事会、第49回年次総会が台北で開催
「アジア・太平洋国会議員連合」(APPU)第83回理事会および第49回年次総会が8月5日~7日、台北市内の円山大飯店で開催されている。今回の大会はAPPU中華民国(台湾)代表団が主催し、外交部が共催するもので、同会議の中で、我が国代表団団長の蘇嘉全・立法院長(国会議長)が大会議長に、余宛如・立法委員(国会議員)が理事会議長に選出される。
今回の会議に出席する加盟国および準加盟国は、我が国の太平洋地域における友好国6カ国(ソロモン諸島、キリバス共和国、マーシャル諸島共和国、ナウル共和国、ツバルはいずれも国会議長による代表団、パラオ共和国は国会副議長による代表団)、日本、マレーシア、モンゴル、パプアニューギニア、タイ、米国グアム、我が国の13カ国、出席者は100名である。その中の48名は国会議員であり、日本代表団は山口俊一・衆議院議員を団長に国会議員14名が出席し、各外国代表団の中で人数が最も多い。これらの国々の他にも、ニュージーランド、オーストラリア、ドイツ、インドネシアなど4カ国の国会議員もAPPUの関連活動に参加し、我が国を含め合計17カ国、海外から81名が出席する。
今年のAPPU年次総会は、「海洋民主主義、持続可能なインド太平洋」がテーマである。これは、現在のグローバル化、国際化という時代のニーズに合致するのみならず、今年のG20大阪サミットで話し合われた「地球規模の温暖化対策と環境問題」などのテーマとも繋がるものである。今回の年次総会に台湾は「海洋廃棄物の効果的な管理の呼びかけ」「海洋の生態保護研究の推進」「海洋文化の伝承とイノベーション」「低炭素を推進する持続可能な社会の発展」「経済・貿易協力の強化」などを提案し、貢献を願い、理念の近い国々と繫がり、共に手を携えて協力し合い、インド・太平洋地域の持続可能な発展のために、新しい局面を創造していくようにする。
APPUは1965年11月、当時の日本の岸信介・元首相(安倍晋三首相の外祖父)および我が国を支持する政界の重鎮、賀屋興宣・衆議院議員らが提唱し創設されたもので、名称は「アジア国会議員連合」(APU, Asian Parliamentarians’ Union)だった。1980年台北で第16回年次総会が開催された際、太平洋地域の新興国の加盟を歓迎したことにより規模が拡大し、名称も現在の「アジア・太平洋国会議員連合」(APPU, Asian Pacific Parliamentarians’ Union)へと改められた。APPU創設の主旨は、自由、民主主義、反共の理念に基づいており、年次総会の開催を通して、アジア・太平洋地域で共通の関心事となっているテーマについて話し合い、それにより各加盟国の国会議員間の交流を繋げ、拡大すると共に団結力を深めていくものである。その上で、地域の友好、親善、平和、安定、繁栄を促すと同時に、自由と民主主義の正常な発展を維持していく。立法院(国会)は、長年にわたり国会外交に尽力しており、2014年8月に続き、その5年後の今年、再び台北での開催であり、我が国において10回目のAPPU年次総会開催となった。今回の会議を通して有益な意見を結集させ、協力を深め、世界の平和と繁栄および人類の福祉増進のために努力していくことができるよう願っている。
【外交部 2019年 8月5日】