「フォルモサクラブ」がWHO宛て書簡で「台湾は中国とは別にすべき」、外交部が感謝
ヨーロッパ各国の親台湾派議員グループ代表が集まって設立した「フォルモサクラブ(Formosa Club)」が11日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長宛てに連名書簡を送り、WHOが新型コロナウイルスに関する表示で台湾を中国大陸に含めていることについて是正を求めた。
中華民国外交部(日本の外務省に相当)は12日に発表したプレスリリースで、「フォルモサクラブ」の中心メンバーがヨーロッパ諸国と様々な党派を跨ぐ幅広い民意を示し、具体的な行動で台湾を支持したものだと歓迎、「フォルモサクラブ」に深く感謝するとともにWHOがこのことに目を向けて問題解決に乗り出すよう呼びかけた。
「フォルモサクラブ」は昨年10月にブリュッセルで発足した。欧州議会、ドイツ、イギリス、フランスの各議会における親台湾派議員グループが交流するためのプラットホームで、ヨーロッパにおける台湾に友好的な力を結集し、様々な国際組織やそれら組織が関係する議題に台湾が参与できるよう積極的にサポートしていこうとするもの。中心的なメンバーは欧州議会の親台湾派議員グループで代表を務めるMichael GAHLER氏、ドイツ議会における親台湾派議員グループのKlaus-Peter WILLSCH代表、フランス元老院における親台湾派議員グループのAlain RICHARD代表、フランス国民議会における親台湾派議員グループのJean-François CESARINI代表、イギリス議会における「台湾・イギリス国会グループ」のLord ROGAN共同代表ら。
「フォルモサクラブ」の連名書簡では、中国大陸の武漢で発生した新型コロナウイルスの感染状況は「リスクが非常に高い」とされていると指摘した上で、WHOが誤って台湾を「中国感染区」の項目に列記したことは感染の抑え込みに無益である上、イタリアによる台湾直行便運航停止につながるなど、台湾に深刻な影響をもたらしていると批判した。また、台湾がWHOによる技術会議に完全な形で参加できないことは全世界の防疫網に抜け穴を生じさせているほか、台湾の人々の健康面での基本的人権にも反するとしてWHOに是正を呼びかけた。同時にこの書簡では、台湾がオブザーバーとしてWHOに参与し、感染症の拡大に共に対抗していくことを支持していく立場を示している。
イタリア、イギリス、欧州議会、ラトビア、ポルトガルなどで台湾を支持する議員はこのところ相次いでWHOの事務局長に宛てて書簡を送り、台湾に関する問題に関心を寄せている。外交部は、さらに今回、「フォルモサクラブ」が台湾のために正義の発言を行ったことは、ヨーロッパで台湾と理念の近い国々が台湾を国際社会に参加させようとサポートする力を絶えず強めてきたことを示していると歓迎、これからも国際的な協力関係の強化に努め、台湾がWHOに参与できる場を積極的に広げることで、世界の防疫網に抜け穴が生じないようにしていきたいとしている。
Taiwan Today:2020年2月13日
写真提供:WHOサイトより
欧州各国の親台湾派議員グループ代表による「フォルモサクラブ」が11日、WHOの事務局長宛ての書簡で、WHOが新型肺炎に関する表示で台湾を中国大陸に含めていることについて是正を求めた。写真はWHOのレポート。中国大陸での感染状況を示す図に台湾も含まれている。