WHO年次総会を前に多数の国が台湾支持を表明、外交部が感謝
世界保健機関(WHO)は18日と19日の両日、年次総会をテレビ会議方式で開催する。今年も台湾はオブザーバー参加を見送ることになったが、中華民国(台湾)政府と民間団体の長年の努力が実を結び、台湾のWHO参加を支持する国際社会の声はますます大きくなっている。台湾支持のエネルギーは蓄積し続けており、「専門、実務、貢献」の原則を掲げてWHO参加を求める台湾の立場が正しいことを証明している。今年、台湾はWHO年次総会参加を求める過程でさまざまな情勢に直面した。新型コロナウイルスのまん延は、世界人類の健康と福祉、そして生命の安全に深刻な脅威を及ぼしたが、一方でWHO参加を目指す台湾に新たな契機をもたらした。新型コロナウイルスの封じ込めに一定の成果を収めた「台湾モデル(Taiwan Model)」が海外メディアで称賛されたことで、国際社会が台湾のWHO参加の必要性と緊急性をより直視するようになったからだ。
5月15日までの時点で、世界29か国の行政部門が書簡、問い合わせ、国会答弁やメディアからの質問への回答、声明の発表、SNSへの投稿などさまざまな方法で、台湾のWHO参加を支持する立場を表明している。中華民国(台湾)の国交樹立国で、WHOの会員でもある国はすべて台湾のWHO参加を支持する立場を示しているほか、台湾と近い理念を持つ国々の政府高官による台湾支持の発言もますます増えている。
日本の安倍晋三首相とカナダのジャスティン・トルドー首相が今年、台湾がオブザーバーの身分でWHO年次総会に参加することを支持すると表明したことは台湾を深く感動させた。また、世界43か国及び地域の立法府あるいは国会議員などが、多様な方法により台湾への強い支持を表明した。そのうち、WHOのテドロス事務局長に台湾のWHO参加を求めて書簡を送った国会議員は600名を超える。カナダの国会議員90名と欧州議会の議員100名余りは、それぞれカナダ政府や欧州連合(EU)の加盟国の衛生担当閣僚宛てに書簡を送り、具体的行動をもって台湾支持の立場を表明した。南米諸国とメキシコを含む10か国による親台湾派グループ「フォルモサクラブ」の国会議員70名余りも、WHOのテドロス事務局長に書簡を送り、台湾をWHO年次総会に招請するよう訴えた。
米国は今年、より多様な方法で台湾支持を表明し、台米関係の堅実な友好関係と、国際組織への参加を目指す台湾を支持する米国のゆるぎない立場を示した。米トランプ大統領は今年3月、中華民国(台湾)の外交関係を安定させることを目的とした「台北法(TAIPEI Act)」に署名した。今月11日には米議会上院が、台湾のWHO参加を求めるレポートをWHOに提出するよう国務長官に求める法案を可決したばかりだ。ポンペオ国務長官とアザー保健福祉長官は公式に、米国は台湾がオブザーバーの身分でWHO年次総会に参加することを支持すると改めて表明すると共に、各国に対しても台湾の参加を支持するよう呼びかけた。米国務省と米国の対台湾窓口機関である米国在台協会台北事務所(AIT/T)はさらに、ツイッターで「#TweetforTaiwan」、「#WHACountdown」などのハッシュタグを使った投稿を行うというクリエイティブな手法で、SNSを通して台湾支持の声を集約した。国連米国政府代表部や在ジュネーブ国際機関米国政府代表部なども、ツイッターの公式アカウントを使って台湾のWHO年次総会参加を支持する立場を表明した。米議会上院・下院外交委員会のリーダーたちも連名で55か国の政府に書簡を送った。また、米議会下院の議員連盟「台湾連線(コーカス)」の代表をはじめ、下院議員の半数に当たる205名がWHOのテドロス事務局長に書簡を送り、台湾のWHO参加を求めた。
今年、台湾のWHO年次総会参加を求める声は、世界各国の政界から支持を得ただけでなく、60か国以上のメディアによっても報道された。関連の報道は、社説、コラム、寄稿などを含めて合計1,800点以上に上った。これは、台湾のWHO参加を支持する国際世論の強さを示すものだ。
こうした動きに対して中華民国外交部(日本の外務省に相当)は15日に発表したニュースリリースで、「WHOは、国際社会から発せられる強い正義の声によく耳を傾け、その専門性と中立性を守り、政治的干渉や操作を拒否して欲しい。すみやかに、台湾がWHO年次総会を含む、WHOのあらゆる会議、メカニズム、活動に完全な形で参加できるようにして、世界の公衆衛生や感染対策に抜け穴や空白地帯を作らないようすべきだ。そして、「Health for All(すべての人に健康を)」という目標を一日も早く実現できるようにして欲しい」と述べた。
Taiwan Today:2020年5月18日
写真提供:外交部
世界保健機関(WHO)は18日と19日の両日、年次総会をテレビ会議方式で開催する。今年も台湾はオブザーバー参加を見送ることになったが、中華民国(台湾)政府と民間団体の長年の努力が実を結び、台湾のWHO参加を支持する国際社会の声はますます大きくなっている。外交部は15日にニュースリリースを発表し、各国の支持に対し感謝した。写真は、台湾のWHO年次総会への参加を求めるキャンペーンに使った今年のロゴ。