外交部、李登輝元総統告別礼拝に参列した森元首相に謝意
日本の森喜朗元首相は18日午後、台湾の李登輝元総統の告別礼拝に参列するため、日華議員懇談会会長の古屋圭司衆議院議員らとチャーター機で台湾入りした。森元首相は到着後、蔡英文総統を表敬訪問するために総統府へ直行し、夜は頼清徳副総統が開催した歓迎レセプションに出席した。19日にはキリスト教系の真理大学(台湾北部・新北市)の礼拝堂で行われたキリスト教徒だった李元総統の告別礼拝に参列後、実り多い台湾訪問を終えて帰国の途についた。
日本からの弔問団の表敬訪問を受けた蔡総統は、森元首相ら一行に対して、8月に続き再度台湾を訪問したことをねぎらい、敬意と謝意を表した。蔡総統はまた、森元首相が李元総統に哀悼の意を捧げたことが台湾において大きな感動を呼んでいることに言及し、台湾と日本の友好関係が今後も後代に引き継がれ、さらに深まっていくよう望んでいると語った。
森元首相は会談で、菅義偉首相及び日本の各界からのメッセージを蔡総統に伝え、台湾と日本の関係が引き続き滞りなく発展していくことに期待を示した。
蔡総統と森元首相は、お互いのオリンピックチームのユニフォームを贈り合い、2021年の東京オリンピックが無事に開催できることや、双方の代表選手が活躍を見せられるよう願った。
一方、頼副総統は歓迎レセプションにおいて、森元首相ら一行に対して、「森元首相の過分な厚意によって台湾の人々の心が和らいだことに感謝している。李元総統を追想する最善の方法は、李元総統の理念を引き継ぎ、台湾と日本の友好関係をさらに強化していくこと、共にインド・太平洋地域の平和と民主主義体制を守っていくことだ」と述べた。これに対し森元首相は、「李元総統から日本人は、強い自信を持って、積極的に国の発展に携わらなければならないという教訓を得た。日本の今日に、自由、民主主義や繁栄があるのは李元総統の教訓のおかげで感謝しなければいけない」と述べた。その上で森元首相は、国際情勢が緊迫する今こそ、自由と平和、民主主義を守るために台湾と日本の友好関係が引き続き深まるよう期待していると強調した。
新北市の淡水にある真理大学で19日に行われた李元総統の追悼告別礼拝に参列した日本の弔問団は同日午後、帰国の途についた。帰国前に記者会見に臨んだ森元首相は、「李元総統が亡くなり、一つの時代が終わりを告げた」と感慨を現した。そして、軍事力、武力による紛争解決の時代は終わり、今後、次世代は経済、音楽、スポーツなど様々な分野を通じて、世界平和への貢献を推進していくよう激励した。
8月にも李元総統の弔問のために台湾を訪れた森元首相が今回、弔問団を率いて再び台湾入りしたことは、日本の台湾に対する確固たる支持の表れで、台湾と日本の太い絆で結ばれたパートナーシップを確認するものだ。外交部(日本の外務省に相当)は、再度、感謝の意を表し、双方の深い友情の基に、今後も様々な分野での交流を拡大し、両国の協力関係の安定的な発展を推進していくとした。
Taiwan Today:2020年9月21日
写真提供:中央社
18日午後、チャーター機で台湾入りした森喜朗元首相(左から二人目)は、その足で蔡英文総統(中央)を表敬訪問した。写真は、お互いのオリンピックチームのユニフォームを贈り合ったときの一コマ。