台湾の賃貸住宅条例施行、日本大手不動産業者も注目

内政部（日本の省レベル）が、蔡英文総統が進める安全な住居と生活保障に関する施政の着実な推進に向け、2016年に立案した賃貸住宅条例は、2017年に12月27日に可決・成立、27日から施行されている。内政部は本条例で12項目を制定した。

　内政部の花敬群次長（事務次官）は26日、賃貸住宅条例の重要ポイントについて記者会見で説明した。花次長は、「住居問題は台湾にとって複雑かつ重要な課題だ。賃貸住宅条例の施行は、非常に重要なスタート地点で、賃貸住宅管理システムの専門化、産業化への大きな一歩を踏み出すことだ」との見解を示した。

　賃貸住宅条例ではまず、賃貸住宅における権利・義務の関係を明確化することが望まれている。

　同条例では、敷金は家賃2か月分と規定され、それ以上を請求してはならないとされている。また借主による家賃遅延や悪意を持って支払いに応じない場合、2カ月家賃滞納で貸主は契約の解除が行えると規定され、貸主のリスク軽減をも支援する。

　内政部は今後、引き続き「住宅賃貸借契約」、「住宅貸切利用契約」、「住宅転貸借契約」、「委託管理契約」など4種の契約について、賃貸住宅に関する契約行為についても全面的に網羅していくとしている。

　また、個人の貸主が賃貸住宅サービスを法人に委託して1年以上たつ場合は、１軒につき毎月最高で6,000台湾元（約2万1,400日本円）の月額家賃収入による所得税の免税が受けられる。さらに6,000台湾元から2万台湾元（約7万1,500日本円）までの月額家賃から損失・消耗品費として53％の控除が受けられる。土地建物管理の委託を受けている貸主にも土地、建物の税金で優待を受けることができる。

　内政部は同条例実施後、賃貸住宅契約の法的根拠と紛争解決のパイプラインが確立され、賃貸住宅管理の専門化が実現したと強調した。内政部はさらに台湾全域の賃貸住宅180万戸および低消費電力型の住宅に対する委託管理を推進していきたいとの考えも示した。もし4分の1にあたる45万戸の賃貸住宅が不動産管理代行業者に委託したとすると、9,000の雇用機会を創出できる計算となり、GDPに920億台湾元（約3,300億日本円）もの貢献があるとされる。

　内政部によると、同条例可決後の半年の準備期間、日本の大手不動産仲介・管理会社が相次いで台湾にやってきて、内政部と関連業者を訪れているという。一方、内政部も8月に台湾の不動産仲介・管理会社やその従業員と訪問団を組み日本の関連機関と業者を訪問する予定。

Taiwan Today：２０１８年６月２７日

台湾の賃貸住宅条例施行、日本大手不動産業者も注目

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