中華民国(台湾)は国連の専門機関への有意義な参加を希望:FAQ
現在、中華民国(台湾)は国連の専門機関への有意義な参加を希望しており、2008年9月16日より開催される「第63回国連総会」の臨時議事日程に「補充項目」として「中華民国(台湾)2,300万人の国連専門機関の活動に有意義に参加する基本的権利の審査」案が盛り込まれ、協議されることを切望しているが、以下はそれについての問答形式による解説である。
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問1:今年、政府が国連の専門機関への有意義な参加を推進する政策はこれまでと比べ、後退したものではないか
回答:政府は国内外の情勢を考慮し、国連の専門機関への有意義な参加案を継続して推進し、それにより2,300万人の台湾住民の国際社会に参加する権利を護持する決意を示していくことにした。現在の国際情勢の下では、国連への加盟獲得の目標は一足飛びにかなうものではないと考え、国連の専門機関への有意義な参加案の政策を推進し、弾力性を必要とした実務を要求していくものとした。米国、日本、欧州連合(EU)などの主要国はいずれも、わが国の「世界保健機関(WHO)」といった機能的な国際組織への意義ある参加を支持していることから、今年は国連の専門機関の活動への意義ある参加という温和で実務的な要求を提案の主軸とした。これは各国の長期にわたる支持の立場に合致するものであり、国際社会の支持拡大を勝ち取るのにプラスとなり、加盟のエネルギーをより一層蓄積するものとなる。
問2:政府は両岸が国際社会において和解休戦すべきであると繰り返し述べているが、今年も引き続き国連へ同案を推進するのはこの原則に違反するのではないか
回答:1.馬英九・総統は、就任演説の中で「両岸は台湾海峡あるいは国際社会においても和解休戦すべきであり、国際組織および活動の中で相互に協力、尊重すべき・・・」と明確に指摘している。和解休戦の真意は両岸による相互尊重の基礎の下、国際組織および活動に共に参加し、それにより国際社会に貢献するものであり、決して台湾が国際社会への参加獲得を一方的に放棄することを示したものではない。
2.国連の専門機関が処理する世界的な問題は、いずれも台湾の住民の福祉に関連しており、国際社会への参加は与野党共通の願いであり、さらには台湾の生存に関わる必要なことであり、国民の福祉を護持し、国家の発展の考えに基づき、政府は台湾の国際社会への参加を引き続き推し進めていくものである。
問3:政府は国連の専門機関への有意義な参加案に関することについて事前に中国大陸側と協議したのか
回答:両岸間ではまだ、台湾の国際空間の活動問題について正式に協議したことはないが、中国大陸側の態度は確かにわが国の国際社会への参加獲得への努力に直接的な影響を及ぼすことになる。そのため、中国大陸側が2,300万人の台湾住民の考え方および希望を尊重ならびに理解し、台湾による政府間の国際組織への参加獲得面において実務的な立場で、善意および弾力性を示すよう呼びかけるものである。
問4;政府は中国大陸側が台湾による今年の国連の専門機関への有意義な参加案に対してどのような反応をするか予想しているか
回答:中国大陸の指導者、胡錦濤・中国共産党総書記は、台湾の国際社会参加問題について話し合いたいと正式に表明したが、中国側の善意が今後どのように実行されるかはなお詳細な観察を待つものである。そのため、台湾は関連的な発展を深く注意し、慎重で臨機応変に対応していくようにする。そのほか、中国側が2,300万人の台湾住民の国際社会への参加に対する強い願いを理解し尊重して、善意および弾力性を示し、直接的な対応をするよう改めて呼びかけたい。
問5:米国・日本・欧州連合(EU)などの主要国は台湾による国連の専門機関への有意義な参加案を支持する可能性はあるのか
回答:政府は今年の同案について、すでに米国・日本・EU諸国と意思疎通をはかっており、各国に対して台湾は今年、温和で実務的な要求を行い、機能性、専門性を備えた国連の専門機関への参加獲得を主軸とすることを説明した。この方策は、米国・日本・EU諸国など主要国による長期にわたる台湾の機能的な国際組織への意義ある参加を支持する立場にかなうものであり、台湾の政府は引き続き努力し、前述の各国が同案を理解した上で支持するよう促していくものである。
問6:台湾が国連の専門機関への参加を希望しているのであれば、なぜ直接それらの該当機関へ申請せず、国連の年次総会に提案するのか。両者はどのようなつながりがあるのか
回答:国連の年次総会は国連のすべての加盟国により組織されるものであり、国連の最も重要な議事および議決機関であり、総会で通過した決議は国際規範の形成と国際法の進展に重要な影響を及ぼしている。「国連憲章」第10条では、国連総会は国連の関連機関の運営に影響を及ぼす事項について討議ならびに勧告することができるとしている。そのため、もし国連総会において台湾の国連の専門機関への参加について原則的なコンセンサスが達成できたなら、各専門機関がこの決議に従い、台湾の参加を受け入れることにプラスとなる。
問7:今年、台湾は国連の専門機関への有意義な参加獲得を主軸としているが、もしまた実現できなかった場合、来年の台湾の世界保健機関(WHO)への参加推進に影響を及ぼすことにはならないだろうか
回答:国際社会に、台湾の国民が国連の専門機関に参加する必要性を直視してもらうため、今年の提案の主軸を国連の専門機関への有意義な参加獲得に改めた。もし、同案が国連総会の議事日程に盛り込まれなかった場合、国連総会の加盟国が台湾による国連のすべての専門機関への有意義な参加獲得に対してまだコンセンサスが無いことを示しただけのことであり、台湾がWHOなどの国連の特定な専門機関への参加を支持しないことを示したものにはならない。そのため、今年の同案の結果がいかになろうとも、政府は引き続き現在の基礎の下にWHO参加案を積極的に推進し、WHOの年次総会におけるオブザーバー参加を獲得するようにしていく。
問8:「国連加盟」および「国連復帰」の国民投票はいずれも不成立となったが、政府はなぜ、国連加盟の推進案を堅持するのか
回答:2008年の総統選挙投票時に同時に行った「国連加盟」および「国連復帰」の2つの国民投票は不成立となったが、この数年間に何度も行われた世論調査では、いずれも多くの国民が政府による継続的な国連加盟推進を支持していることが明らかとなっている。政府は民意の要求に適切に応えるために、今年も引き続き国連加盟案の推進を決定した。しかしこれにはできるだけ実務的で温和な形で訴えるように努め、国連の専門機関への有意義な参加獲得の活動を主軸とすることに改め、それにより2,300万人の台湾住民の期待にかなうようにした。
問9:今年の提案における名称は中華民国(台湾)を使用したが、何か特別な考えがあったのか。政府は今後、その他の名称を使用することを考慮しないという考えなのか
回答:わが国の友好国による「台湾の国連専門機関の活動への有意義な参加の審議を国連総会に盛り込む」提案の中で、わが国の正式な国名を使用したのはきわめて自然なことである。加盟獲得にプラスとするために、今後もし国連の専門機関が台湾を受け入れる考えがある場合には、協議した参加名が「尊厳」の原則にかなうものでありさえすれば、台湾は弾力的な考えを示すようにしたい。
問10:国連の専門機関は数多くあるが、政府がまず参加を獲得しようとしているのはどの機関なのか
回答:台湾は1997年より「世界保健機関(WHO)」加盟案の推進をスタートし、多年にわたる努力により国際社会は台湾のWHOの年次総会におけるオブザーバー参加獲得に対して、すでに一定の支持を得ており(米国および日本政府はいずれも正式に支持しており、欧州議会およびチリ、リトアニアなど多くの国の国会でも関連決議が可決された)、それらは台湾の要求がとりわけ実務的で温和であることを認めていることを示すものである。我々が引き続き努力して行けば、必ず国際社会の支持をより一層拡大するできると考えている。そのため、今後はWHOへの参加を優先的に獲得することを目標としていく。
問11:「世界保健機関(WHO)以外に、政府が優先的に参加推進を考えている国連の専門機関はどのような機関か
回答:台湾は国民の福祉に関する議題を処理する国連の専門機関すべてに、参加獲得を考えている。但し、各専門機関の運用方法は異なっていることから、政府は各参加案ごとに最も実務的で可能な参加戦略を研究し決めていくようにする。
問12:有意義な参加とはいかなるものか
回答:有意義な参加というのは、国連のシステムに台湾の加盟が受け入れられる前に、台湾の尊厳を十分に維持するという前提の下で、適切な方法で関連する会議、活動および国際協力への参加を求めることである。各専門機構の状況が異なることから、台湾の要求する参加方法もそれぞれ異なることになるであろう。「世界保健機関(WHO)」を例に取ると、台湾は多方面にわたる努力により、すでに米国、日本などの国々から台湾の「WHO年次総会(WHA)」におけるオブザーバー参加の支持を獲得しており、WHAにおけるオブザーバーの地位を獲得してこそ、台湾がWHOに対して有意義な参加を実行できると考えている。そのほかの台湾がまだつながりのない国連の専門機関については、国家発展および国民の福祉に基づいて考慮し、参加獲得が必要であるとなった場合、それらの専門機関が、我々の受け入れることのできる身分および名称で台湾からの関係者の参加に同意し、台湾と直接連絡することを受け入れ、最新の情報を把握するといったことを促すことができるよう希望するものであり、これらはいずれも有意義な参加といえるものである。
問13:政府は今年、国連専門機関の活動への参加獲得を行うのみで国連への加盟を推進しないが、これは主権国家の地位に対する堅持を放棄したことを表しているのか
回答:1.今年の国連専門機関への有意義な参加案については、台湾の友好国が台湾のために提案した文書の中に正式な国名を用いてわが国を呼称しており、これは、政府によるわが国の主権国家としての地位に対する立場が、決して後退し放棄したものではないことを示している。
2.国連への加盟推進案は高度な政治的意味が含まれており、1993年からは2007年を除き、台湾の国連加盟案の訴えは、国連加盟を直接申請したものではなかったが、国連総会が委員会を設け、台湾の特殊な状況を協議する要求も、あるいは第2758号決議を改めて検討するよう要求も、また国連総会で台湾の国民2,300万人の国連における代表権問題を確認する要求も、これらは温和に訴えても国際社会は台湾の国連参加推進案の政治性が高すぎ、支持を表明しにくいことを広く認識した。
3.現在の国際情勢の下、国連加盟獲得は一足飛びに実現できるものではなく、より実務的で実行可能な戦略を策定する必要がある。政府は慎重な検討を行い、米国、日本、EU諸国といった主要国はいずれも、台湾がWHOなどの国連の専門機関へ意義ある参加をすることを支持しており、それを今年の推進政策の主軸とし、国際社会の支持がより拡大しやすく、比較的実現性があることから、今年は国連傘下の専門機関への有意義な参加獲得を主な推進すべき要求とするよう決め、それにより国民の権利および国家の利益を適切に保証するようにしていくものである。
【外交部 2008年8月21日】