頼清徳総統、民主主義の台湾を強く支持する「対中政策に関する列国議会連盟」に感謝
頼清徳総統は27日午後、「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の訪問団の表敬訪問を総統府で受けた。頼総統は、IPACが具体的な行動を通じて民主主義の台湾に対して揺るぎない支持を示していることに感謝するとともに、台湾が今後、防衛力を強化し、民主主義のパートナー国との連携を図り、共に抑止力を発揮していけるようにしたいと強調した。頼総統はまた、IPACが持つグローバルな議会ネットワークを通じて、近い理念を持つ盟友を増やし、地域および世界の民主、平和、繁栄を守っていけるよう期待すると述べた。
IPACは昨年7月に台北で年次総会を開催し、各国の国会議員からなる史上最大規模の訪問団を組織して台湾を訪れた。また、中国による国連総会第2758号決議曲解に反発するために各国の議会が作成する決議の「範例」を作成・採択し、台湾が中国の「法律戦」に対抗できるようにした。こうしたIPACのこの正義に基づく行動により、英国、オランダ、チェコなどの議会や欧州議会が相次いで台湾を支持する決議や動議を採択したほか、多くの国の行政部門も台湾を支持する立場を表明した。頼総統はこうしたことを踏まえ、「今後さらに多くの国々がこれに呼応することを期待している」と述べた。
IPACはまた今年に入ってからも具体的な行動で台湾への支持を表明している。例えば今年4月には、中国が台湾周辺での軍事演習を行ったことについて懸念を表明した。また、昨年3月にチェコを訪問した蕭美琴副総統(当時は次期副総統の身分)が乗った車両が中国の外交官に尾行され、危うく衝突事故を起こす可能性があったことを非難した。また、デンマークで開催された「コペンハーゲン民主主義サミット」では、台湾の政府高官の代表団と交流するイベントを開催した。頼総統はこうしたことに謝意を示した。
頼総統はその上で、中国が近年台湾や周辺国に対して言論や軍事による威嚇を繰り返し、地域の平和と安定を深刻に脅かしていると指摘。そして、中国やロシアなどの覇権主義国家が結託する中で、民主主義国家はあらゆる分野で協力し、平和、民主主義、自由を守っていかなければならないと訴えた。
頼総統はさらに、台湾は今後も防衛力を引き上げ、民主主義のパートナー国と協力して抑止力を発揮することを約束した。台湾の来年度の防衛予算(NATOの基準による)でGDPの3.32%に引き上げることを表明。2030年にはこれを5%に引き上げることを目標とし、地域の平和と安定に貢献していきたいと述べた。
これに対してIPAC訪問団の団長を務める英国のイアン・ダンカン・スミス下院議員(保守党)は、今回の訪台で多くの成果を得たことはIPACが今後1年間の発展方針を策定するうえで大いに役立つだろうと述べた。
スミス下院議員はまた、今年11月のIPAC年次総会はさらに規模を拡大してベルギーで開催すること、そこで現在世界が直面する深刻な課題について議論することなどを明らかにした。スミス下院議員は、とりわけウクライナ情勢は最も明確な事例だとし、ロシアのウクライナ侵攻とその蛮行はイラン、北朝鮮、中国の支持を受けており、これは覇権主義国家の結集を意味すると述べた。また、これは多くの方面に影響を及ぼすだけでなく、台湾の将来の境遇にも影響すると指摘。このためIPACは、各国政府にこの問題に関心を持つよう呼びかけ、覇権主義国家が同様の行動をとるのを阻止する必要があると述べた。
スミス下院議員は、IPACには世界53カ国の超党派議員が参加しており、左派・右派の政党を問わず一致団結して中国の専制政権がもたらす脅威に立ち向かっていると強調。そして、自由を愛するすべての国が協力し、自由と民主主義が現在直面している課題を直視し、台湾の自由と民主主義を守っていきたいと語った。
Taiwan Today:2025年8月28日
写真提供:総統府
頼清徳総統は27日午後、「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の訪問団の表敬訪問を総統府で受けた。頼総統は、IPACが具体的な行動を通じて民主主義の台湾に対して揺るぎない支持を示していることに感謝した。
