台北駐日経済文化代表処が「中華民国(台湾)114年双十国慶節祝賀レセプション」を開催
一、駐日代表処の「中華民国(台湾)114年双十国慶節祝賀レセプション」に各界要人が出席
台北駐日経済文化代表処(以下、駐日代表処)の李逸洋代表は10月8日、「中華民国(台湾)114年双十国慶節祝賀レセプション」を都内のホテルで開催した。同レセプションには「日本台湾交流協会」の隅修三会長、「日華議員懇談会(以下、日華懇)」会長の古屋圭司・衆議院議員、自民党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党など衆参両院の国会議員193名が出席した。安倍晋三・元首相の夫人である安倍昭恵女史、東京国際大学の倉田信靖・理事長/総長も出席、登壇しあいさつを述べた。
さらには、わが国と国交のあるパラグアイ、マーシャル諸島、グアテマラ、バチカンおよび、わが国と理念の近い国々の駐日大使館関係者、日本の主要メディア、各界の要人、日本在住の僑胞など、1,000名以上が出席し盛大な式典となった。
二、李・駐日代表あいさつ
李・駐日代表はあいさつの中で、「台湾の株式市場は世界第8位である。上位7か国の人口は台湾の数倍から数十倍に達し、平均すると台湾の25倍になる。来年、台湾の一人当たりGDPは4万ドルに達することが見込まれている。昨年、台湾の一人当たり金融資産も、世界第5位となり、富裕国となった」と紹介した。
さらに、「世界最大の企業であるNVIDIAのサプライチェーンの主要なパートナーも台湾にある。台湾の人口は2300万人で、世界では第57位だが、このような大きな成果をあげている」と紹介し、「台湾は本当にすごいと思いませんか」と述べ、会場から大きな拍手が沸いた。
李・駐日代表は、台湾周辺の状況が厳しさを増し、中国の軍事的圧力が続いていることにも言及し、「こうした中で、特に感謝するのは、2021年に日米首脳会談で、52年ぶりに台湾海峡の平和と安定の重要性が発表された。その後、すべての重要な国際会議の共同声明には、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持することが強調されたことだ。最近の声明はその内容もより一層強まっている。すなわち、両岸問題の平和的解決を促し、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対すること、また、国際機関への台湾の意義ある参加支持などである。近年、中国は頻繁に軍事演習を行なっている。民主主義国家はそれを座視しない。アメリカをはじめ、10か国以上の民主主義の国々が軍艦で台湾海峡を通過し、実際の行動で台湾を支持している。これは、国際航路の自由通航権を主張し、中国による一方的な封鎖や武力行使を容認しないことを示している」と強調した。
李・駐日代表は、「来年度の台湾の国防費は、過去最高となるGDPの3.32%に達する。さらに2030年までにはGDPの5%に引き上げる計画だ。これは台湾が自らの防衛力を高め、中国の脅威に対抗する強い決意を示している」と説明した。
さらに、「現在の国際情勢はすでに、米国・日本・EUの民主陣営と、中国・ロシア・北朝鮮の権威主義勢力、いわゆる『邪悪の軸心』との対立が形成されている。その中で、台湾は重要な役割を担い、広い国際空間を切り開いた」と述べた。
李・駐日代表はまた、「台湾は世界の最先端チップの95%とAIサーバーの90%を生産している。半導体のパッケージングと先進パッケージングにおいても、世界をリードしている。最近のシリコンフォトニクス(Silicon Photonics)技術は、同じチップ上で電気伝送を光伝送に置き換えるものであり、これにより演算能力は30倍に向上する。これはAI高速演算やデータ処理における画期的な技術革命であり、台湾はこの分野に全力で取り組み、世界をリードすることを目指している。こうした半導体とAIの優位性は、民主主義の国々との協力により、世界の半導体とAIサプライチェーン強靱化に大きく貢献することができる」とアピールした。
今後についても、「台湾は引き続き民主主義の国々と共に、台湾海峡と地域の平和と繁栄を守り続けていく」と述べた。
三、来賓あいさつ
「日本台湾交流協会」の隅会長、「日華懇」の古屋会長、安倍昭恵夫人、東京国際大学の倉田・理事長/総長、「全日本台湾連合会」の趙中正会長、「日本中華聯合総会」の羅鴻健会長ら各来賓が登壇しあいさつした。隅会長は、あいさつの冒頭、先ごろの台風18号(ラガサ)により花蓮で深刻な水害となったことに対し、慰問の意を表すると共に、「日本で新内閣が間もなく発足するが、日台友好関係を重視する日本政府の姿勢は今後も変わらない」と述べた。さらに9月に台湾の頼清徳総統を訪問した際、台日協力、防災について意見交換を行ったことなどを紹介した。古屋会長は、日華懇は、台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加入支援など6つの研究プロジェクトチームを作っており、この中で、日本の戸籍表記に関する規定が改正され、台湾人が出身地を「台湾」と記載できるようになったことなど、台日交流推進に尽力していることを紹介した。あいさつを述べた各来賓は、台日間の経済安全保障、防衛などの分野における協力の重要性について言及し、今後も台日関係の発展、さらなる深化に期待を寄せた。
四、李・駐日代表がサクソフォーンを演奏し、合唱団らと共演
同レセプションでは、「台医会南杏合唱団」、台湾文化センターの台湾文化体験講座「若林舞踊クラス(台湾原住民族舞踊を踊ろう)」や「歌謡クラス(台湾民謡を歌おう)」のメンバーらによる歌や舞踊が披露された。最後に出演者全員で「台湾」という歌を大合唱した際には、李・駐日代表も登壇してサクソフォーンで伴奏し、会場から大きな拍手が送られた。今年の祝賀レセプションも温かく楽しい雰囲気の中、7時過ぎに閉会した。
写真2:写真左から蔡明耀・駐日副代表、趙中正・全日本台湾連合会会長、隅修三・日本台湾交流協会会長、羅鴻健・日本中華聯合総会会長、李逸洋・駐日代表と夫人、安倍昭恵女史、古屋圭司・日華懇会長、倉田信靖・東京国際大学理事長/総長、周学佑・駐日副代表
写真3:大合唱でサクソフォーン伴奏する李・駐日代表
写真4:日本の政治家や友好国の代表らが出席し、盛大なレセプションとなった



