李逸洋・駐日代表が日本の農水産品の「爆買い」を呼びかけ
中国が日本の高市早苗首相による「台湾有事」に関する発言への不満を示すため、日本への渡航自粛勧告を発表し、水産品などの輸入を停止するなどのハイブリッド攻撃を仕掛けていることに関して、李逸洋・駐日代表は11月21日、高市首相は台湾の安全を日本国内自身の安全のように認識し、日本が中国から経済的威圧を受けていることから、台湾の人々に対して「日本の農水産品を『爆買い』して日本を応援しよう」と呼びかけた。
高市首相は今月7日、衆議院における質疑のなかで、仮に「台湾有事」に関して、武力攻撃が発生した場合に、安全保障関連法における日本の集団的自衛権行使を可能にする「存立危機事態」になりうるとの認識を示した。この発言が中国の強烈な不満を引き起こし、日本に対してハイブリッド攻撃を仕掛けている。
これに関して李代表は、「高市首相は台湾の安全を日本国内自身の安全のように認識したことに、台湾を愛し、台湾にアイデンティティーを持つすべての人々の心の中で、深く感動、感激しない人はいない」と述べた。
そのうえで李代表は、「中国が日本産の水産物の輸入手続き停止するのは、日本の経済に損害を与えるためである。私たちすべての台日友好を願う台湾の人々が今できることは、共に日本の水産品を『爆買い』して、日本経済は中国のボイコットによる損害を受けないようにすることだ」呼びかけた。
中国は2001年より日本産の牛肉の輸入を禁止しており、今年中の日本産牛肉の輸入再開が調整されていたが、これに関する協議も中国側の意向で一方的に中止された。
李代表は、中国が2021年に台湾産パイナップルの輸入を禁止した際、日本の安倍晋三・元首相が率先して台湾パイナップルを大々的に宣伝し、日本の人々が力強く応援してくれたことから、今では日本が台湾パイナップルの最大の輸入国となったほか、台湾のバナナ、マンゴー、マグロなども日本が最大の輸入国となっていることを説明した。
また、日本は輸出フルーツのうちリンゴの77.5%、ブドウの58.6%、ながいもの53.4%、柿の42.5%が台湾に輸出され、台湾はこれら日本の4品目の農産品の最大の輸入国となっている。さらに、台湾は日本のホタテ、和牛、モモ、イチゴ、ナシの5品目の農畜水産品の第2の輸入国でもある。
李代表は、「台湾の人口は約2,300万人で、世界の第57位であるが、こんなに多くの日本の農畜水産品を支持しているのは、すごいことだ」と強調し、台日両国の国民が今後も引き続き、お互いの農畜水産品を購入することで互恵の関係を創出していくことを期待した。
日本を応援するため、頼清徳総統(大統領)は11月20日、SNSに「きょうの昼食はお寿司と味噌汁です」、「鹿児島産のブリと北海道産のホタテ」と投稿し、X(旧ツイッター)では日本語で書き込み、駐日代表処のXのアカウントにも転載された。頼総統の投稿内容はNHK、共同通信社など日本の主要メディアで報道され、東京の新宿や秋葉原の街頭ビジョンや電車内ディスプレイのニュースなどでも報道され、大きな注目を集めた。日本メディアはまた、林佳龍・外交部長(外相)が台湾の国民に対して、日本旅行や日本産品の購入を通じて行動で高市首相とその政策への支持を示すよう呼びかけたことも報じた。
李代表は、「このたびの中国による日本水産品の輸入停止で、最も影響が大きいのがホタテなので、台湾は大々的にホタテを購入しよう。台湾を輸出先第2位からトップに押し上げれば、日本の損失は軽減される。高市内閣を支持することは、日本が台湾のパイナップル危機のときに手を差し伸べてくれた恩返しでもある」と強調した。