大陸委員会:中国側が一方的に発表した「両岸交流・協力促進に関する十項目措置」に関する立場
大陸委員会は本(2026)年4月12日に中国側が一方的に発表したいわゆる「両岸交流・協力促進に関する十項目措置」について、以下の立場を表明する。
一、 北京当局は台湾の民選政府を頭越しに、両岸関係をいわゆる「国共(国民党と共産党)間関係」へと位置づけ、かつ「一つの中国」の枠組みに押し込めようとしている。また、「1992年コンセンサス」や「台湾独立反対」を両岸交流の政治的前提とし、「融合・統一」を目標として、台湾に対し意図的な差別待遇および分断を図っている。「習鄭会談」およびいわゆる「十項目措置」は、これまで検証に堪えなかった各種のいわゆる「対台湾優遇措置」と同様に、国共双方による政治的取引に過ぎず、そのコストは社会全体が負担することとなる。
政府の立場は明確である。国家と国民の利益を守るため、公権力に関わる両岸事項は、双方の政府が対等と尊厳の原則の下で協議を行うことで初めて効力を有するものであり、そのようにして初めて真に国民の権益と福祉を保障し得る。国共両党が国家の公権力を頭越しに構築しようとするいかなる「常態的な意思疎通メカニズム」や「交流プラットフォーム」のいずれも、法令に違反してはならない。
二、 過去の経験が示す通り、北京当局によるいわゆる経済・貿易上の「利益譲歩」は、しばしばこじつけの理由により一方的に撤回または停止され、我が国の農林水産業および関連産業に莫大な損失をもたらしてきた。いわゆる「一方的利益譲歩」とは、実際には「大規模な優遇策」という糖衣に包まれた毒薬であり、その実際は経済的圧力の手段として用いられてきた。こうした「飼い殺し」の手法は、国家および産業の利益に対する損害を伴うものである。
中国側は両岸交流を武器化・手段化・政治目的化しており、各種の開放措置は常に中断され得る不確実性を伴い、また特定の対象に限定した選択的運用による操作がなされている。政府としては、台湾経済および産業がこのような不当なリスクにさらされることのないよう保護し、統一戦線の政治的影響力浸透や選挙介入の手段として利用されることを防ぐ責務がある。
今回中国側が公表した農水産品の輸入、食品企業登録、並びに一部旅客便および個人旅行の再開などの措置についても、過去において断続的に実施・停止が繰り返されており、今回もまた同様の政治操作を繰り返すことは、我が国の産業、農漁民および国民の権益に対する制度的保障をまったく欠き、高い不確実性を内包するものである。
三、 国家の安全保障および公権力に関わるあらゆる事項について、北京当局は政治的理由をもって我が国政府との協議を回避すべきではない。中国側は表向きには両岸直行便正常化の推進、金門・馬祖地域における「通水・通電・通ガス・通橋」の推進、さらには「金門との厦門(アモイ)新空港共同利用支援」などを提起している。
しかしながら、これらは越境インフラ、航空安全、出入国管理・検疫、人的往来などに関わる事項であり、国家の安全保障および公権力行使の核心に関わるものである。このような事項については、主管当局による評価、関与および両政府間の正式な協議を経て、適切に取り扱われるべきものであり、これは国際的にもあたりまえの原則である。
四、 政府は健全かつ秩序ある両岸交流を支持しているが、国家と国民の利益を守るという核心的目標の下、いかなる交流措置も政治的前提や特定の目的を伴うべきではなく、また特定政党による政治的取引の手段となるべきではない。野党はなおさら同様の政治操作に与することを回避すべきである。
過去において、中国当局によるいわゆる「対台湾優遇措置」は、最終的に対台湾経済圧力の手段として利用されてきた経緯があり、これは国民の共通体験となっている。野党には政府と協力し、同様の事態再発を防止する責務がある。
我々は改めて北京当局に対し、両岸が互いに隷属しないという客観的事実および中華民国の存在を早期に回復するよう求める。これこそが、両岸の平和と人々の福祉向上に資する正しい道である。