総統選挙:民進党、国民党の両候補者が正式に立候補届け出
3月22日に実施される総統選挙の立候補受付が1月26日からはじまり、与野党の各候補者が翌27日までに届け出を済ませた。
与党・民主進歩党(民進党)の謝長廷・総統候補および蘇貞昌・副総統候補は1月27日午前、中央選挙委員会に赴き、総統選挙立候補を届け出た。
届け出を済ませた謝氏は、「台湾維新」、「国富民強」、「幸福経済」等のスローガンを掲げ、「台湾を生活レベルの高い国家にする」との意気込みを示し、経済成長のためにバランスある「共生」で政局を安定させ、国民の苦痛を和らげる政策を推進する考えを表明した。
また、謝氏は総統選挙出馬にあたって当選後は「本人および家族はいかなる株式売買を行わない。いかなる基金会の取締役にも就かない。公的機関との商業行為を行わない。米国のグリーンカード(永住権)を持たない。米国またはその他国家のパスポートを持たない」とする「三不二没有」(3つのノーと2つのナッシング)を発表し、クリーンさや台湾への忠誠を強調した。
一方、最大野党・中国国民党(国民党)の馬英九・総統候補および蕭万長・副総統候補は同日午前、中央選挙委員会に赴き、総統選挙立候補の届け出を済ませた後、両氏そろって馬蕭選挙総本部の設立大会に出席した。
このなかで、馬氏は「新しい国会、新しい政府、新しい台湾」を主張し、「新しい国会は改革の第一歩であり、国会と政府が共に協力してこそ真の改革が生まれ、新しい台湾があるのだ」と訴えた。
また、馬氏は「新しい台湾」のスタートとして「クリーンな政府」、「活力ある豊かな経済」、「公平正義、調和の社会」、「持続可能な省エネと環境保護」、「多元的新文化の創造」を掲げた。
民進党総統候補:謝長廷氏
1946年生まれ。台湾台北市出身。台湾大学法学科卒業、日本・京都大学法学修士、同大学法学部博士課程。80年、美麗島事件の弁護士を務め、翌年台北市議会議員に初当選。民進党の創党発起人となり、89年に立法委員に初当選。96年の総統選挙に民進党から副総統候補として出馬、98年より高雄市長を2期務め、2000年~02年は民進党主席を兼任。05年~06年に行政院長を務めた。07年5月の民進党総統候補予備選でトップに立ち、同月29日に民進党総統公認候補として選出された。立法委員選挙後の08年1月16日より民進党主席(代理)に就任。
民進党副総統候補:蘇貞昌氏
1947年生まれ。台湾屏東県出身。台湾大学法学科卒業、79年、美麗島事件の弁護士を務め、81年に台湾省議員に初当選。89年から屏東県長を務め、93年から民進党秘書長、立法委員を経て、97年台北県長に当選、01年台北県長に再選され、04年総統府秘書長に任命、05年民進党主席、06年1月~07年5月に行政院長を務めた。07年5月の民進党総統候補予備選で謝長廷氏に敗れたが、謝長廷総統候補から副総統候補として指名された。
国民党総統候補:馬英九氏
1950年生まれ。香港出身。台湾大学法学科卒業、米ハーバード大学法律課程博士号取得。李登輝総統の時代に法務部長(法相)に抜擢され、1998年から台北市長を2期務めた。2005年8月に国民党主席に選出され、2007年2月まで務め、党主席辞任と同時に総統選挙出馬の意志を表明、同年6月25日の国民党全国代表大会で党の総統公認候補に選出された。
国民党副総統候補:蕭万長氏
1939生まれ。台湾嘉義市出身。政治大学外交学科卒業、政治大学外交研究所(大学院)修士。駐マレーシア・クアラルンプール領事、外交部アジア太平洋局課長、経済部国際貿易局局長、経済部長、行政院経済建設委員会主任委員、行政院大陸委員会主任委員、立法委員を歴任し、1997年から2年半にわたって行政院長を務め、2000年の総統選挙で国民党から副総統候補として出馬した。国民党副主席、中華経済研究院董事長(会長)を経て、07年6月25日に国民党全国代表大会で再び党の副総統公認候補に選出された。
《2008年1月28日》
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中央選挙委員会は1月22日、第12代総統・副総統選挙において候補者を推薦立候補できる政党は中国国民党、民主進歩党、親民党の3政党であると発表した。
総統副総統選挙罷免法第22条第2項の規定によると、政党が候補者を推薦立候補するためには、前回の総統・副総統または立法委員(国会議員)選挙において、政党推薦候補者の得票数の和が前回選挙有効票総数の5%以上であることが条件であり、2政党以上が1組の総統・副総統候補者を共同で推薦した場合は、各政党推薦候補者の得票数を推薦政党数で割った得票数によって計算される。
台湾団結連盟については、第7回立法委員選挙において推薦候補者の得票数の和が選挙有効総数の5%以上に達しなかったため、第12代総統・副総統選挙に候補者を推薦立候補することはできない。
【中央選挙委員会 2008年1月22日】
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総統副総統選挙罷免法で規定されている正副総統被連署候補者に届け出していた王崇任・趙連出、蕭陽義・張振徳、林金英・宋楚瑜(親民党の宋楚瑜主席とは別人)の3組は、審査の結果、いずれも規定の25万人の連署が集まらなかったため、総統選挙には立候補できない。
総統・副総統立候補届け出後、中央選挙委員会は2月1日に委員会を招集して候補者資格を審査し、2月15日に候補者番号の抽選を行い、2月22日に候補者名簿を公示する予定である。
《2008年1月28日》