王金平・立法院長が来日、麻生太郎・自民党幹事長と会談

　８月１１日に奈良県で開かれる「第３９回アジア・太平洋国会議員連合（ＡＰＰＵ）総会」に出席するため、麻生太郎・自民党幹事長の招きで来日した王金平・立法院長（国会議長）は８月８日午後、東京内幸町の「日本記者クラブ」で今回の訪日について語った。

　王院長は、８日に「日華議員懇談会」のメンバーである中川昭一・自民党元政調会長や小池百合子・元防衛大臣を含む１０数名の国会議員を表敬訪問し、台日関係について意見交換したほか、王院長は大臣レベルの閣僚とも会談したことを明らかにし、今回の訪日は台日間の相互信頼の回復と、両国の伝統的友好関係の強化を話し合うことが目的であることを説明した。

　新しい駐日代表の人事の発表が遅れていることについて、王院長は「台湾は日本を非常に重視しており、人材の選考は、必ず経歴、経験、声望の高い人物であると同時に、日本の事情に精通している人物が求められる」と述べ、馬英九総統が対日関係を重視しているからこそ慎重を期して選考していることに理解を求めた。

　王院長は日本側に対し、台湾と中国大陸の経済開放や交流拡大によって緊張が緩和したことは、日本や米国の利益にも合致すると指摘し、馬総統の「統一しない、独立しない、武力を用いない」の政策が台湾の現状を守ると強調した。

　そのうえで、王院長は「両岸関係の発展は必然的なものであり、推進すべき交流は推進すると同時に、台湾は日本や米国との関係も非常に重視しており、相互信頼の強化を望んでいる」と対日関係のより一層の強化への意欲を伝えた。

　釣魚台（尖閣諸島）沖の海域で日本海上保安庁の巡視船に衝突された台湾の遊漁船「聯合号」の賠償問題に関して、王院長は「８月１日より双方の弁護士が接触をはじめ、日本側は誠意を持って取り組んでいると認識している」と述べ、合理的な解決がはかられるとの見方を示した。

　王院長は、再び同様の事件を起こさないためには漁業権問題の解決が必要だとして、日本側との第１６回漁業権交渉を通じて両国の漁民の権利を守り、問題解決がはかられることに期待を示した。

　台湾の国際組織参加問題に関して、王院長は「台湾の世界保健機関（ＷＨＯ）オブザーバー参加については日本も米国も支持している。日米両国が影響力を発揮してその他の国が台湾を支持するように、さらには中国大陸が台湾を支持するよう説得してほしい。なぜならこれは医療と人道的問題であり、台湾が参加することではじめて世界の医療体系が完全なものになる」と強調し、日本に対して支持と協力を求めた。

　王院長（国会議長）はこのあと、東京の自民党本部を訪れ、麻生幹事長を表敬訪問し、約４０分にわたって会談した。

　麻生幹事長と会談後、王院長は「今回の訪日は、台日両国の疑念を払拭し、お互いの誤解を解き、両国関係を強化することで、お互い利益が得られるようにするためだ」と語った。

　王院長は、８月１１日から奈良で開かれる「第３９回アジア・太平洋国会議員連合（ＡＰＰＵ）総会」に出席する。また、同会議には台湾から与野党立法委員（国会議員）１２名が出席する。

《２００８年８月１１日》

王金平・立法院長が来日、麻生太郎・自民党幹事長と会談

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