国民投票第5案(台湾国連加盟案)の第2,3回意見発表会が開催
中央選挙委員会が主催する「台湾名義による国連加盟」(国民投票第5案=加盟案)の第2回、第3回意見発表会が3月1日、2日にそれぞれ開催された。
3月1日に行われた国民投票第5案第2回意見発表会において、賛成側代表の管碧玲・立法委員(民進党)は、「同国民投票案が通過したとしても、台湾がすぐに国連に加盟できるわけではない。しかし、政府が前進する始まりであり、チャンスの始まりである。中華人民共和国が台湾に圧力をかけようとしたとき、台湾の友好国が中国の圧力を拒否する理由にもなる」と述べた。
また、管氏は「両岸統一を支持する人々も国連加盟案を支持すべきだ。なぜなら国連加盟国民投票は『統一』に影響しない。韓国と北朝鮮がそのよい例だ」と指摘し、さらに「台湾と中華人民共和国がいずれも国連加盟国であれば、両岸統一に関して対等な立場で協議できるのであり、統一を主張する人々にとっても喜ぶべきことだ」との認識を示した。
管氏は「『中華民国名義による国連復帰』(復帰案=国民党が推進する国民投票第6案)は国際法上では通じない話だが、台湾のために、国民党に今回の国民投票をボイコットさせないために、民進党は『復帰案』も受け入れる」との考えを示し、「台湾がもし分裂を続ければ、国際社会からの道義的な支持は得られない」と強調した。そのうえで管氏は「国民投票がもし通過すれば、これは台湾の国民が初めて明確に意見を表明したことになる。台湾名義による国連加盟が明確な全体意見として、国際社会からも明確に認識される」と主張した。
続いて、翌3月2日に行われた国民投票第5案第3回意見発表会において、賛成側代表の羅致政・東呉大学政治学教授は、「毎年9月の国連総会に、全世界190数カ国がすべて参加しているのに、台湾だけが入れないことは、台湾の悲哀だ」と語った。
羅氏は「スイスは2002年に国民投票を用いて国連のオブザーバーから正式加盟国への昇格を要求した。世界情勢はすでに変わり、スイスは行動で証明した。国連の体系は益々重要になってきており、台湾が加盟しなければ、われわれの悲哀はさらに大きくなる」と指摘し、「もし、国連に入ることができたら、それはビルの大門に入れるようなものであり、世界保健機関(WHO)、世界銀行、国連食糧農業機関(FAO)、国際通貨基金(IMF)等の他の小さな門も簡単に開けることができるようになる」と国連加盟の必要性を強調した。
羅氏は「台湾が国連に加盟するのに、最もよい方法は自分が誰なのか、何を求めているのかをはっきりと世界に向けて大きな声で言うことである。『私は台湾だ。私は国連加盟国になりたい』という要求は何も行き過ぎたものではない。台湾は他国と同様の権利を求めているだけであり、国名を変更するものでもなければ、中華人民共和国と『中国』代表権を争うものでもない」と訴えた。
さらに、羅氏は「米国の友人が私に『国連に加盟して何かいいことがあるのか?』と聞くので、私は『それなら、どうして米国は脱退しないのか?』と言い返した。このように国際社会は台湾の気持ちを理解していない」と語り、「米国や日本と意見が異なっても、台湾は自己の国家利益を考慮してやるべき事をやるべきだ。現在の根本的な障害は中国であり、中国さえ手を放せば、国際社会はすぐに台湾を支持する」との考えを示した。
このほか、羅氏は「外交を休戦して先に中国と話し合い、両岸関係がよくなれば、台湾が国際社会に参加する機会が得られると言う人もいるが、それは『与虎謀皮』(トラに毛皮をよこせと頼む=絶対に成功しないこと)だ」と指摘し、「もし国民投票をボイコットして、国連加盟を求める国民投票が通過しなかったら、全世界が台湾を笑い者にし、中国は『台湾は中国の一部である』と宣伝することになる。それは、自殺の道を選択するようなものだ」と危機感を訴えた。
国民投票第5案
「1971年に中華人民共和国が中華民国に代わって国連に加盟し、台湾は国際社会の孤児となりました。台湾の国民意志を強烈に表明し、台湾の国際社会での地位および参加を高めるため、政府が『台湾』の名義で国連に加盟することに同意しますか?」
《2008年3月3日》