大陸委員会：中国は「一つの中国」原則で台湾の選挙を干渉しようとしている

　中国の胡錦濤・国家主席が３月４日に発表した両岸関係に関する談話内容について、行政院大陸委員会は以下のプレスリリースを発表した。

　台湾は主権独立国家であり、国号は中華民国である。台湾の主権は台湾２，３００万国民にある。中国は両岸が互いに隷属していない事実と現状に実務的に向き合うべきであり、中国の指導者は頑固に「一つの中国」原則という古い言い回しを両岸協議と協力の前提としているが、この種の実際的でない政治スローガンはそもそも現実をごまかすものであり、新しい意義は何もなく、両岸の政治的対立を緩和することにも役立たない。

　中国は「一つの中国」原則を対台湾戦略の枠組みとして設定し、両岸交流および国際的活動の各方面において十分運用しようとしているが、中国の最終的な目標は依然として中華民国を矮小化し消滅させることにある。わが政府は中国による一方的な「一つの中国」原則を両岸の定位や政治的枠組みとすることを決して受け入れない。また、この枠組みを前提とするいかなる対等でない方式による両岸関係の発展も受け入れることはあり得ない。中国の指導者の今日の発言は、今後の両岸関係の協力発展にマイナスの影響をもたらすことになるだろう。

　中国側は「両会」（全国人民代表大会と政治協商会議）の開会を利用して、台湾がまもなく実施する総統選挙と国民投票の推進を批判し、威嚇で影響を与えようとしたことは、再び両岸の現実と台湾の民意の反応を無視したものであり、国際社会の見方や台湾内部の情勢発展をミスリードしようとするものである。中国は直ちに台湾に対する武力恫喝や国際的圧迫を停止し、実務的に中華民国の存在と向き合い、速やかに各種テーマの協議と話合いを回復すべきである。台湾の民意と両岸情勢の発展の判断を誤り、台湾の民主主義のプロセスを破壊したり干渉しようとすべきではない。さもなければ、中国は自己の誤った決定によって重大な結果を負わなければならなくなるだろう。

【行政院大陸委員会　２００８年３月４日】

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　中国の胡錦濤・国家主席は３月４日、「台湾のいかなる政党も、両岸が『一つの中国』に属することを認めれば、われわれは彼らと交流、対話し、協議、交渉を行いたい。交渉の地位は平等であり、議題はいかなる問題でも話し合えるようにする」と語った。

　これに対して、謝長廷・民進党総統候補は、「前提を設けるべきではない。何でも話合い、争議は先送りすべきで、解決できない事のために解決できる事を引き延ばすべきではない」と批判した。

　また、張栄恭・国民党政策会副執行長は、「国民党の立場は『９２年のコンセンサス』を基礎として、両岸協議を回復し、両岸平和を創造するというものである。国民党が認識している『９２年のコンセンサス』は『一つの中国の解釈をそれぞれが表述する』というものであり、それ以外は受け入れられない」と説明した。

《２００８年３月５日》