陸委会:台湾の7割以上の国民が、将来の両岸関係の緊張緩和に期待
3月22日に投開票が行われた総統選挙後、国民の今後の両岸関係の発展に対する見方について、行政院大陸委員会(以下、陸委会)は最新の世論調査の結果を発表した。
同調査は陸委会が「中華徴信所企業股份有限公司」に調査を委託し、同社が3月23日~同25日、台湾の20歳以上の成人を対象に電話質問形式で調査を行ったもの。有効サンプル1,068人、誤差±3%。以下はその結果と陸委会のコメントの要旨である。
1.台湾の国連加盟に対する見方
総統選挙と同時に行われた「台湾名義での国連加盟」および「中華民国またはその他尊厳ある名称による国連復帰」の2つの国民投票はいずれも法定投票数に達せず不成立となった。今回の国民投票は不成立となったが、77.3%の国民は依然として台湾の国連加盟を引き続き「支持」しており、「反対」は17.6%だった。
この調査結果は、政府が今後も国連加盟を引き続き推進していく決意と意志を、台湾の国民が支持するものであり、これは国民投票で不成立となったことにより変わるものでもなく、国際社会はこの台湾国民の心の声に耳を傾けるべきであり、台湾に正当で適切な国際社会における活動の場を与えるべきであるとの考えを具体的に示したものである。
2.外交と両岸関係の優先性に対する見方
外交と両岸関係の発展の優先性については、「台湾とその他の国家との関係発展の方がより重要」と考える人の割合は35.7%で、「両者は共に重要」と考える人は32.3%、「台湾と中国の関係発展の方がより重要」と考える人は30%だった。また、もし、外交関係の発展により、両岸関係に緊張が生じた場合の質問には、75.1%の国民が、「引き続き外交関係を発展させる」ことに賛成だった。
3.両岸の直航便に対する見方
両岸の直航便問題について、89%の人は「条件つきの開放」をすべきと考えており、わずかに7.1%が「無条件での開放」をすべきと考えている。
この結果は、これまでの同調査の中で「条件つき開放」が最も高いポイントとなり、国民が条件つきの両岸の直行便に対し、きわめて高いコンセンサスがあり、国家の安全、尊厳、対等な条件の下で、開放すべきであると国民が考えていることを明らかにしている。
4.台湾企業の対中投資に対する見方
政府による台湾企業の対中投資に対する制限について、44.4%の人が「もう少し厳しくすべき」と考えており、41.5%が「もう少し緩和すべき」、7.3%の人が「現状維持がよい」と考えている。
5.台湾の国民は、中国の台湾に対する敵意を認識
政府間関係について「中国政府はわが国政府に対してきわめて友好的でない」の23.5%、「友好的でない」の38.3%を合わせれば、61.8%の国民が「中国政府は台湾の政府に対し友好的でない」と考えている。また中国政府の台湾民衆に対する姿勢としては、「きわめて友好的でない」の16.8%、「友好的でない」の32%を含む48.8%の国民が友好的でないと考えている。
6.両岸交流に対する見方
政府が両岸の民間交流を開放する速度について、40.8%が「ちょうど良い」、35.2%が「遅すぎる」、18.9%が「速すぎる」と考えている。
7.国民の台湾の統一か独立かの立場
「現状維持、状況を見てから独立あるいは統一を決める」「現状維持、のち統一に向かう」「現状維持、のちに独立に向かう」「永遠に現状維持」といった「広義の現状維持」を主張する国民は91.1%を占めた。さらに、「現状維持、状況を見て独立か統一かを決める」と主張したのは6種類の意見の中で、最も多く43.5%を占め、「永遠の現状維持」を主張したのは20%だった。また、「ただちに独立を宣言」の6%、「現状維持、のちに独立に向かう」の17.1%を含めた独立志向の割合は23.1%で、これは「ただちに統一」の1.7%および「現状維持、のちに統一に向かう」の10.5%を含めた独立志向の12.2%を上回っている。
8.将来の両岸関係に対する見方
新総統就任後、68.7%の国民は、今後の1年における両岸関係は「比較的緩和する」と考え、18.1%は「変化なし」、5.5%が「比較的緊張する」と考えている。
9.中国の「一国二制度」の主張に対する見方
中国の「一国二制度」で両岸関係を発展させる主張に対して、81.7%の国民が「反対」し、13.2%の国民が「賛成」の意を示した。
【行政院大陸委員会 2008年3月28日】