台湾産タマネギの日本への輸出が好調

　毎年３月、４月は台湾におけるタマネギの収穫期であり、行政院農業委員会では産地農民団体を通じて４，８００トンを買取貯蔵するほか、主に日本に向けて２，０００トンの輸出を支援し、台湾国内のタマネギ価格を安定させる。

　台湾の主要なタマネギ生産地は屏東県および彰化県であり、そのうち７０％を屏東県が占めている。収穫期は２月～４月である。今年度の栽培面積は１，２８９ヘクタールで、生産量は６万４，０００トンと予測されている。

　屏東県のタマネギは収穫時期が過度に集中しているため、毎年３月の中下旬の最盛期に、価格暴落が起こりやすかった。このため、保存がきくタマネギの特性を生かして、農業委員会では３月１５日より産地農民団体によるタマネギの買取貯蔵を指導し、４月１９日までに４，８００トンを買取貯蔵することを目標としている。買取貯蔵したタマネギは、５月２０日以降に市場の需要に合わせて販売される。

　近年、台湾産のタマネギの輸出は、中国大陸からの低価格商品との競争や国内生産コストの増加等の影響を受け、輸出量は年々減少傾向にあった。昨年の輸出量は２２０トン、輸出額は１２万３,０００米ドルであり、その９９％が日本市場への輸出であった。

　最近、日本国内で中国から輸入された毒ギョーザ事件が発生して以来、中国から日本への生鮮野菜と冷凍食材の輸出は大幅に減少した。特に日本はタマネギの輸入量の７割を中国からの輸入に頼ってきたが、日本の今年２月における中国からのタマネギ輸入量は３割に落ち込んだ。この情勢の発展をうけて、台湾国内の一部の業者が日本の商社よりタマネギ輸出の可能性の問い合わせを受けるようになった。このため、農業委員会では近日中に日本市場のタマネギに対する需要を見て、屏東県の産地農会（農業組合）に国外販売計画を立て、輸出用タマネギの農薬検査を強化し、安全性を高め、同時に産地の選別を強化し、包装時に「台湾」の文字を強調し、中国産タマネギとの区別をはかるなどの指導を行う。輸出販売期間は３月中旬～５月下旬で、２，０００トンを販売目標としている。

【行政院農業委員会　２００８年３月１４日】