楊永明・国家安全会議諮問委員が東京で講演

　楊永明・国家安全会議諮問委員は９月１４日、東京都内で開催された「日本李登輝友の会」が主催するシンポジウム「どうなる日台関係」に出席し、講演を行った。

　このなかで楊氏は、馬英九総統の対日観について「馬総統は、日本が台湾と民主主義の価値観を共有するパートナーであると認識しており、馬総統は『友日派』、『知日派』になりたいと強調して、日本の精神、文化、日本人の考え方等を理解しようとしている」と説明した。

　そのうえで楊氏は、「台日間には地理、歴史、文化面において共通点があり、米英関係や日米関係のように外来要素の影響を受けることはない。馬総統も以前から日米安保体制を支持すると表明している」と述べ、「両岸関係の改善は台日関係の発展に影響しない」と強調した。

　さらに楊氏は「台湾海峡両岸の対話は経済に関するテーマを主としており、中国の軍事力は依然台湾にとって最大の脅威である。馬総統が『統一しない、独立しない、武力を用いない』の政策をもって両岸の対話を再開したことは、東アジアの繁栄と安定化にプラスになる」との認識を示した。

　今後の台日交流について、楊氏は「台日自由貿易協定」（ＦＴＡ）の早期締結による経済関係の強化や、台湾の国際組織参加への日本側の協力、東京羽田空港と台北松山空港・桃園空港を結ぶ定期航路開設の早期実現などに期待を示したほか、漁業権問題については「平和的、理性的に共同開発や共同管理の問題を話し合いたい」と日本側に呼びかけた。

《２００８年９月１７日》
写真提供：中央社