江丙坤・海基会理事長が北京を訪問、9年ぶりに海協会と対話再開
江丙坤・海峡交流基金会(海基会)理事長は6月11日、中国大陸の対台湾窓口機関である海峡両岸交流協会(海協会)と会談するため、台湾代表団らとともに中国大陸を訪問し、同日午後に北京に到着した。同代表団には、高孔廉・海基会副理事長兼秘書長、林淑閔・海基会副秘書長、龐建国・海基会顧問、傅棟成・行政院大陸委員会副主任委員、游芳来・交通部次長、林志明・交通部航政司長、頼瑟珍・交通部観光局長、呉学燕・内政部出入国及び移民署副署長ら26人が同行した。
江理事長は11日の出発前、「今日からはじまる4日間の協議は、新たなスタートである。一方で、協議は両岸の相互信頼の基礎の上にあることから、『両岸相互信頼協議の旅』と位置づけた。馬英九総統は『台湾を主体とし、国民に有益であること』を特に指示した。交渉における基本的な姿勢は、理性的、対等、尊厳、両岸平和共栄の追求である。両岸関係の改善は、両岸の貿易経済交流や台湾の経済発展に影響をあたえるだけでなく、さらに重要なのはアジア太平洋地区全体の安定と国際情勢の安定にきわめて重要な意義があるということだ」と語った。
さらに江理事長は「今回は大陸委員会から授権された範囲内で、新政府の第一回目となる両岸協議を行う。もちろん今後第2回、第3回の協議が続くことになる。このような協議を通して、両岸のウィンウィンを創造し、両岸の人々がさらによい生活を過ごせるように、特に宝島(台湾)の上に住む2,300万の人々が尊厳ある安心した生活を送れるよう望んでいる。代表団は必ず全力を尽くし、皆様の期待に背くことはない」と述べ、国民の関心に感謝の意を示した。
江理事長一行は、マカオ(澳門)を経由して11日午後に北京首都国際空港に到着した。空港では海協会の5名の副会長らが江理事長一行を出迎えた。一行は、先に北京市内のホテルにチェックインし、ホテルで出迎えた陳雲林・海協会会長と対面した。その後、江理事長一行は北京市内の釣魚台国賓館で行われた夕食会に出席した。
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6月12日午前、江丙坤・海基会理事長は北京の釣魚台国賓館で陳雲林・海協会会長と会談を行い、9年ぶりに海基会と海協会の正式対話が再開された。
陳会長はあいさつのなかで、先月発生した四川大地震に対する台湾各界からの関心や援助に感謝の意を示し、「両岸の両会(海基会と海協会)の対話が10年中断した後の正式再開協議であり、両会は新たな情勢の下で、両岸関係発展の重要なプラットフォームになる」と語った。
また、陳会長は「両岸協議が順調に進むかどうかは、両岸関係発展の重要な指標となる。今回の協議が両岸の平和発展の新局面において大きな貢献ができるよう期待している」と述べ、「週末チャーター便および大陸観光客の台湾観光の2項目のテーマを、双方の共同努力の下で、出来るだけ早く達成したい」と意欲を示した。
江理事長は、四川大地震の被災者に対して慰問の意を示し、両会が協力して被災地の復興に取り組むことを提案した。
江理事長は「1993年の辜汪(辜振甫・汪道涵)シンガポール会談や1998年の上海会談は、いずれも両岸関係の発展に大きな意義があった。今回の両会の協議再開後、善意による相互協力のムードのなかで、両会の交流協議が再び架け橋の役割を発揮することで、両岸のウィンウィンを創造し、さらなる利益が得られるよう望んでいる」と語った。
《2008年6月12日》
写真提供:中央社