日本の巡視船接触による台湾漁船「聯合号」の沈没に対する抗議声明

　６月１０日未明、台湾の漁船「聯合号」が釣魚台（日本名・尖閣諸島）海域において、日本の海上保安庁の巡視船の接触により沈没した問題について、中華民国総統府は以下、４項目の厳正なる声明を発表した。
　
　一、釣魚台列嶼は中華民国の領土であり、地理的には台湾付属の島嶼であり、宜蘭県頭城鎮大渓里に属している。
　
　二、中華民国政府が釣魚台列嶼の主権を護持する決意は、これまで変わることはなく、今後も変わるものではない。外交部はこの立場を十分理解し、遵守する。
　
　三、日本政府の巡視船が中華民国の領海において、わが国の漁船に接触、沈没させ、わが国の船長を勾留したことに対し、わが国は厳正なる抗議をするものであり、日本政府はただちに船長を釈放し、賠償を行うよう要求する。外交部は上述の原則に基づき、日本側と交渉続行中である。

　四、わが国は、行政院海岸巡防署に対し、ただちに組織と装備を強化し、主権護持ならびに漁業権保護の機能を高めるよう要求した。
　　　　　　　　　　　　　
【総統府　２００８年６月１２日】

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　また、この問題について、外交部の欧鴻錬・部長（外相）も、同日、池田維・交流協会台北事務所代表を外交部に呼び、以下の厳正なる抗議を行った。

　一、釣魚台が中華民国固有の領土であることは疑う余地もない。わが国の漁船「聯合号」がわが国の領海内において、日本の巡視船により接触、沈没したことに対し、強い不満の意を示すと同時に、日本政府に対し、抗議を行うものである。

　二、日本政府はただちに、漁船「聯合号」の船長をわが国に帰国させるよう要求すると共に、日本側がすみやかにこの事故に関する物的証拠および調査報告をわが国に提出し、真相を明らかにするよう要求する。

　三、今後、漁船「聯合号」のような事件の再発を防ぐため、日本政府は一日も早くわが国と漁業会談を再開し、双方の努力により、両国の漁業権争いの問題を解決するよう要求する。

　台日両国において、釣魚台の領有権についての争議は、以前より存在している。中華民国政府は、釣魚台の主権保有を断固として主張するものであり、この立場は一貫して変わるものではなく、外交部はさまざまな場において、この厳正なる立場を重ねて表明してきた。わが国の釣魚台の主権および漁民の権利を護持するため、外交部は日本政府に対し、釣魚台海域におけるわが国の漁船の操業を妨害しないよう引き続き要求していくと共に、日本政府がすみやかにわが国との漁業会談を再開し、両国の漁業権争いの問題を解決するよう呼びかけるものである。

【外交部　２００８年６月１２日】

日本の巡視船接触による台湾漁船「聯合号」の沈没に対する抗議声明

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