江丙坤・海基会理事長と陳雲林・海協会会長の両岸会談について
江丙坤・海峡交流基金会(海基会)理事長と中国大陸の陳雲林・海峡両岸交流協会(海協会)会長が6月12日、北京の釣魚台賓館で両会の責任者による会談を行った。これは両岸両会の協議が中断してから9年ぶりにはじめて正式に再開されたものであり、歴史的意義を備えたものである。
海基会の江理事長は会談のなかで、今回の会談は両会の相互協力の回復と、両岸関係の再スタートと、両岸両会の正常化と制度化された往来の象徴であると指摘し、両岸関係の未来の発展に対する指標的な意義があると語った。両岸両会は先日、責任者を含む内部の人事改組を行い、双方は5月26日および5月29日に電報によるやりとりを通じて、制度化された協議を回復するための基礎を構築した。江理事長は最近の両岸の善意による相互協力のムードの下で、両会の正常な協力を経ることによって、必ず協議、交流、サービスの面において、再び架け橋とルートの機能を発揮し、両岸関係の長期的な平和、安定のための基礎とすることができるとの認識を示した。
江理事長は新たな情勢の下、両会が得がたい歴史的チャンスを逃すことなく、「現実を直視し、未来を切り開き、争議を棚上げし、ウィンウィンを創造する」の目標の下、互恵と相互利益の原則で、共に両岸関係を推進し、平和と繁栄の方向に前進することに期待を示した。
陳雲林会長は、「5月26日の海基会、5月29日の海協会の電報に基づいて、10年近く中断していた両岸協議が再開された。両岸協議が順調にいくかどうかは、両岸関係が改善されるかどうかの重要な指標である。両岸の新たな情勢の下、両会は対話を再開し、繁栄の責任を負うことになる。海基会、海協会の両会は、平等に協議し、積極的に意思疎通し、コンセンサスを拡大し、実利的に両岸人民の関心のある様々な問題を話し合うべきであり、双方はこの機会に、共に両岸人民の福祉の増進をはかるべきである」との考えを示した。
12日の会談のなかで、江丙坤理事長と陳雲林会長は、「両岸週末チャーター便」および「大陸住民の台湾観光」のテーマについて、積極的に、できるだけ早期にコンセンサスを達成し、協議に署名することにより、両岸の交流を促進し、両岸の住民の往来が増すことへの期待を表明した。同時に、できるだけ早く「両岸貨物チャーター便」および「週末チャーター便」をさらに増便することや、より多くの空港を開放し、新航路の設定等の事項について、今後の協議を通じて実現させるべきであるとの認識を示した。
両会の連絡制度化と協力の再開後、積極的に両会各レベルの職員の対話と交流を強化する必要性について、両会は直ちに緊急事故連絡人の指定および連絡方法の回復に合意した。緊急事件または突発的な状況には、直ちに相互に通報することで、効果的に処理し、両岸の人々の生命財産の安全の突発事件があったとき、両岸住民の利益を守ることとする。同時に、交流を拡大するため、双方は両会の関係者が普段から相互訪問すべきであることに合意した。コンセンサスを増進し、相互信頼を構築するために、両会は両岸業務管理部門の職員の相互訪問を積極的に促進すべきであり、両会は両岸貿易経済と文化交流の全面正常化の推進に共同で参加すべきである。双方は両会の責任者等ハイレベルの意思疎通ルートと連絡体制を構築し、海基会および海協会の幹部による相互訪問を推進することに原則的に合意した。
江理事長は会談の中で、第二回会談を行うために、正式に陳雲林会長の年内の台湾訪問を招請した。陳会長は適切な時期に台湾を訪問することに同意した。双方は両会が積極的に協議の手続きを進めることに合意した。
江理事長は会談の中で、四川大震災への関心および被災者に対する哀悼の意を表し、今後相互協力を通じて、被災地に実質的な協力を提供し、被災者のケアや被災地への支援を実現すると同時に、海基会と海協会がこのプラットフォームの役割を果たすよう期待を示した。両会は積極的に地震災害予防に関する交流と研究を促進し、両岸間の知恵を結集し、地震による両岸の人々の財産の損失を減少させることを願うものである。
両岸間の往来の時間とコストを大幅に節約するため、江理事長は会談の中で両会は「両岸海運直航」の協議を進めることを提案した。江理事長はこのほか両会が今年中に「両岸海域石油ガス共同協力調査」、「両岸共同の犯罪防止」、「金門・厦門と両馬(馬祖・馬尾)小三通の旅客・貨物往来の拡大」、「両岸気候変化と気象の研究の交流と協力の推進」等について積極的に協議を進めていくことを提案した。陳会長は江理事長が提案した協議テーマについて重視することを表明した。双方は近日中にテーマおよび推進について迅速に計画することに合意した。
今日の会談は双方が和やかなムードのなかで率直に意見交換が行われ、多くのコンセンサスと共通の意見が蓄積された。今回の会談は両会の制度化協議の再開の重要なスタート地点となる。われわれは双方が善意と誠意をもって、協議を継続し、両岸交流間の問題の解決をはかり、両岸住民の利益を保障することを期待するものである。
【海峡交流基金会 2008年6月12日】