第四章 総統

第三五条 総統は、国家元首であって、外に対して中華民国を代表する。

第三六条 総統は、全国の陸海空軍を統率する。

第三七条 総統が法により法律を公布し命令を発布するときは、行政院院長の副署又は行政院院長及び関係ある部、会の首長の副署を経なければならない。

第三八条 総統は、この憲法の規定により条約締結及び宣戦、講和の権限を行使する。

第三九条 総統は、法により戒厳令を宣布する。但し立法院の可決又は追認を経なければならない。立法院が必要と認めたときは、決議により総統に戒厳の解除を要請することができる。

第四〇条 総統は、法により大赦、特赦、減刑及び復権の権限を行使する。

第四一条 総統は、法により文武官吏を任免する。

第四二条 総統は、法により栄典を授与する。

第四三条 国家に天災、疫病が発生し、又は国家財政経済上重大な変動があり急速な処分を必要とする場合は、総統は、立法院休会期間中にあっては、行政院会議の決議を 経て緊急命令法により、緊急命令を発布し、必要な処置をとることができる。但し命令発布後一箇月内に立法院に提出して追認を求めなければならない。立法院 が同意しないときは、その緊急命令は、直ちに効力を失う。

第四四条 総統は、院と院との間の紛争に対して、この憲法に規定がある場合を除いて、関係各院院長を召集し協議解決することができる。

第四五条 中華民国国民は、満四十歳に達したときは、総統又は副総統に選ばれることができる。

第四六条 総統、副総統の選挙は、法律で定める。

第四七条 総統、副総統の任期は六年とし、連選されたときは一期重任することができる。

第四八条 総統は就任時に宣誓しなければならない。その誓詞は、次の通りである。 「余は謹んで至誠を以て全国人民に対し宣誓する。余は必ず憲法を遵守し、職務を忠実に行い、人民の福利を増進し、国家を防衛して国民の付託に決して背かな い。もし誓言に相違することがあれば、国家の最も厳しい制裁を甘んじて受けるものである。ここに謹んで誓う。」

第四九条 総統欠位のときは、副総統が総統の任期満了までその任を継ぐ。総統、副総統が共に欠位したときは、行政院院長がその職権を代行し、旦つこの憲法第三十条の 規定により国民大会臨時会を召集して総統、副総統を補選する。その任期は、前任総統の残任期間とする。総統が事故により職権を行うことができないときは、 副総統がその職権を代行する。総統、副総統が、共にその職権を行うことができないときは、行政院院長が代行する。

第五〇条 総統は、任期満了の日に解職される。もし任期満了による後任総統が未だ選出されていないとき、又は選出後総統、副総統が共に未だ就任していないときは、行政院院長が総統の職権を代行する。

第五一条 行政院院長が総統の職権を代行するときは、その期限は三箇月を超えることができない。

第五二条 総統は、内乱又は外患罪を犯した場合を除いて、罷免又は解職を経た後でなければ刑事上の訴追を受けない。