馬英九総統が米国連邦議会下院外交委員会訪華団と会見

　馬英九総統は１月２８日、エド・ロイス（Ed Royce）米国連邦議会下院外交委員会議長を団長とする米下院外交委員会訪華団一行と会見した。このなかで馬総統は、就任以来「静かに、ノーサプライズ」の原則で、台米間の相互信頼の回復に取り組み、台米関係が１９７９年の断交以来、最高の段階になったことを強調した。

また、馬総統は、米国のヒラリー・クリントン国務長官が「台湾は米国にとり重要な安全保障および経済パートナーである」と表明したように、過去４年余りの間に、米国は３回にわたり台湾への武器売却に同意し、その総額が１８３億米ドルに達したと強調したほか、４０数年前に導入されたガピー級潜水艦の老朽化が進んでいることから更新する必要があるとの認識を示した。

　さらに馬総統は「昨年ロシアのウラジオストクで開催された『アジア太平洋経済協力』（ＡＰＥＣ）首脳会議において、わが国の連戦・首脳代表が米国のクリントン国務長官と『台米貿易・投資枠組み協定』（ＴＩＦＡ）の枠組みでの協議再開に合意した」と強調し、近く協議が再開されることに期待を示した。

　米国のアジアにおける「リバランス政策」を推進していることに関して、馬総統は「東シナ海で発生している釣魚台列島の領土主権問題では、日本と中国大陸が互いの主張をエスカレートさせ、東シナ海の緊張を招いている」との認識を示した。そのうえで「釣魚台列島は台湾に属する島であり、台湾からの距離が、日本や中国大陸よりも近い。古くは１７世紀にその版図に組みこまれ、海上パトロールの範囲に含められた」と指摘。「中華民国は一貫して平和的な方法による争議の解決を主張している」と強調し、昨年８月５日に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、「主権は分割できないが、資源は共有できる」と呼びかけていることを説明した。

　また、国際組織への参加に関して、馬総統は、台湾の貿易自由化のレベルを引き上げたうえでのハイレベルの「環太平洋連携協定」（ＴＰＰ）への参加の意欲を示したほか、引き続き「国際民間航空機関」（ＩＣＡＯ）や「国連気候変動枠組み条約」（ＵＮＦＣＣＣ）への意義ある参加に向けて取り組んでいく考えを示した。

【総統府　２０１３年１月２８日】
写真提供：中央社

馬英九総統が米国連邦議会下院外交委員会訪華団と会見

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