馬英九総統が「プロジェクト2049研究所」アーミテージ米元国務副長官らと会見

　馬英九総統は２月２６日、総統府で米国のリチャード・アーミテージ元国務副長官を団長とする米国「プロジェクト２０４９研究所」訪華団一行と会見した。

　このなかで馬総統は、昨年７月に米国産牛肉の輸入問題が解決し、昨年９月にロシア・ウラジオストクで開かれたアジア太平洋経済協力（ＡＰＥＣ）で、台湾の連戦・首脳代表と米国のヒラリー・クリントン国務長官（当時）が「台米貿易・投資枠組み協定」（ＴＩＦＡ）協議の再開に合意したことに言及し、今年３月にも関連手続きが始まる見通しを示し、「積み上げ方式」で徐々に双方の協力を拡大していくことや、米国との協力を通じて「環太平洋連携協定」（ＴＰＰ）参加の条件を満たし、台湾経済が速やかに地域経済統合の流れに組み入れられることに期待を示した。

　また、釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）問題に関して、馬総統は「昨年９月に日本が釣魚台の『国有化』を宣言する２カ月前に、わが方はこの行為が今後『強烈な反応』を招くと認識した。そこで、昨年８月に『東シナ海平和イニシアチブ』を提起した」と指摘し、「釣魚台列島は中華民国固有の領土、台湾の付属島嶼である。主権は分割できないが、資源は共有できる。関係各方面が主権争議を一時的に棚上げし、資源を共同開発することで、初めて争議を解決することができる」と呼びかけた。

　さらに馬総統は、「東シナ海平和イニシアチブ」の主張の第一段階として「３組（台湾と日本、台湾と中国大陸、日本と中国大陸）それぞれの二者協議」を行い、成果が得られた後に第二段階として「１組（台湾、中国大陸、日本）による三者協議」を行うことを提案した。馬総統は、「日本政府が『争議の存在を承認すれば主権に影響する』と考えるのは誤解である」と指摘し、「（東シナ海平和イニシアチブが主張する）『主権争議の棚上げ』は、『主権の棚上げ』ではない」との認識を示した。そのうえで馬総統は、日本と韓国が黄海の海底資源の共同開発に関する協定に調印した事例を挙げ、この協定が日韓の同地域の主権に対する主張に何ら影響していないことを説明した。

【総統府　２０１３年２月２６日】

馬英九総統が「プロジェクト2049研究所」アーミテージ米元国務副長官らと会見

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