馬英九総統が澎湖島での軍事演習を指揮

　馬英九総統は４月１７日午前、澎湖島の五徳地区で実施した「漢光２９号演習」の実弾射撃演習を指揮・視察し、国軍の精確な戦力を高く評価した。

　このなかで馬総統は、「ここ半世紀余りの間、国民にとって戦争は遠いものとなり、安心して暮らせるようになったことは、きわめて重要な進歩であるが、心理的な緩みから起こり得る脅威を軽視してはならず、戦争に対する危機意識を失ってはならない」と指摘し、国防部が定期的に実施している「実際の兵士による演習」または「実際の兵士による実弾演習」の必要性を強調した。

　さらに馬総統は、「近年、中国大陸が大きく経済発展し、軍備の質も大幅に向上したことは、国民にとっては脅威となりうるものであり、それに向き合うために軍備を整え、戦いに備える努力を強化し、台湾海峡の平和を維持しなければならない」と述べ、「台湾海峡の平和の維持にとって重要なカギは、外来の脅威の大小ではなく、その他の国が支援に駆けつけてくれるかどうかでもなく、われわれが自己の力で有効に抑止できるかどうかにかかっている」との認識を示した。

　また、馬総統は、国軍の備えをしっかり固め、「リスクを最小化し、チャンスを最大化する」という有利な契機を創造することこそが、台湾海峡の平和と国民の安心した暮らしを守ることにつながると指摘し、「最近、中共（中国大陸当局）と日本が釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の主権を争うなかで、軍事力を誇示し、東シナ海の緊張をエスカレートさせているが、わが政府は釣魚台列島の主権は一歩も譲らないことを宣言したうえで、国際社会が国連憲章と国際法のルールに基づいて平和的な方法で紛争を解決することを呼びかけるため、私は昨年８月に『主権はわが国にあり、争議を棚上げし、平和互恵、共同開発』の理念で関連争議を処理する『東シナ海平和イニシアチブ』を提起した」と述べ、今年４月１０日に日本と漁業協定を締結したことについて、「共同管理の方式で台湾の２倍もの面積の協定適用水域を設けることにより、双方の漁民が干渉されずに正常に操業できるようになった」と評価した。

　そのうえで馬総統は、「中共との軍拡競争はしない。国軍は新しい思考、戦略、戦術を持つ必要がある。『損失が少なく、効率が高い』非対称戦力を発展させてこそ『防衛の固守、効果的な抑止』の最高指導原則が発揮できる」との考えを示した。

【総統府　２０１３年４月１８日】
写真提供：総統府
　

馬英九総統が澎湖島での軍事演習を指揮

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