馬英九総統が豪州のダウナー元外相と会見、アジア外交について語る

　６月１１日、馬英九総統はオーストラリアのアレクサンダー・ダウナー（Alexander Downer）元外務大臣ら一行と会見し、「中華民国（台湾）とオーストラリアの外交政策は似ており、米国か中国大陸かを必ずしも選択するものではなく、米国および中国大陸との友好関係を同時に維持する立場をとるものであると考えている。例えば、私は総統就任後、積極的に『両岸和解』および『活路外交』を推進したことにより、両岸関係は効果的に改善され、具体的な成果を収め、また同時に台湾の国際関係の拡大にも成功した」と指摘した。

　さらに、「台湾が『活路外交』政策を推進して以来、『正当な目的』『合法的なプロセス』『効果的な実施』という対外支援の原則を堅持しており、台湾の対外関係は次第に改善され、現在までに１３３の国と地域が台湾に対し、ビザ免除あるいはランディングビザ発給の措置を付与している。これは、私の総統就任時における５４カ国と比べ、２倍以上もの大幅成長となり、同政策の方向性が正確であることを示している。今後ともこの方向に邁進し、台湾が国際社会において『ピースメーカー』および『人道援助の提供者』としての役割を担いたいとの意向を持っていることに、より多くの国々から重視と十分な理解が得られるよう願っている」と述べた。

　また、「先ごろ釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）により引き起こされた主権争議の解決を図るため、私は『東シナ海平和イニシアチブ』を提起し、関係各国が平和的な方法で争議を解決するよう主張した。２０１３年４月１０日には、台湾は日本と『台日漁業協議』に調印し、共同での海洋資源の保護および管理区域における相互協力により、両国の漁民はいずれも相手国からの干渉を受けない下で操業できるようになり、『主権を分割することはできないが、資源を分かち合うことはできる』の理念を具体的に実践するところとなった。この方法は地域の平和促進に、大きなプラスになるものと確信している」と説明した。

　台湾漁船がフィリピン公船に、警告なしに機銃掃射され、漁民が死亡した事件についても言及し、「台湾の政府はフィリピン政府に対し、『正式な謝罪、損害賠償、速やかに事実を調査し犯人を厳重に処罰、速やかに台湾とフィリピン間の漁業協議についての話し合い開始』といった４項目の要求を提起した。双方はすでに司法の相互協力メカニズムを発動させており、それにより真相を究明し、犯人を処罰するものとしている。フィリピンが速やかに台湾の４項目の要求に対応し、被害者の遺族が正義と賠償を受けるところとなるよう希望している」と強調した。

【総統府　２０１３年６月１１日】

写真提供：中央社

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