馬英九総統が「抗戦勝利と台湾光復記念特別展」の開幕式に出席
馬英九総統は7月7日、台北市政府が主催する「抗戦勝利と台湾光復(主権回復)記念特別展」の開幕式に出席し、抗戦志士らの犠牲と貢献に思いを馳せ、抗戦の歴史と文物の保存を通じて、国民が歴史に向き合い、前を向いて未来に進めるよう期待を示した。
このなかで馬総統は、「今日は『盧溝橋事件』から77周年の記念日であり、今年は抗戦勝利および台湾の主権回復から69周年にあたる。さらに来年は抗戦勝利70周年を迎える。対日抗戦は中華民国の戦争史上において最長の戦役であり、戦区は最も広域にわたり、参加人数は最多で、犠牲も最も大きかった。総計300万人余りの国軍兵士と2,000万人余りの一般民衆が犠牲になり、日本側も約212万人の兵士、約100万人の一般民衆が死傷した。我が国にとり、実に苦難、惨烈かつ残酷な戦争であった」と述べた。
さらに馬総統は、「『歴史の過ちは赦すことはできるが、歴史の真相は忘れることはできない』。人々は歴史を振り返るだけでなく、その中からの経験を汲み取らなければならない」と指摘し、「今年6月6日にフランスで執り行われたノルマンディー上陸70周年記念式典にはドイツのアンゲラ・メルケル首相も出席し、各国の指導者らとこの歴史を共に追悼した。特にドイツは第二次世界大戦後に『Vergangenheitsbewältigung』(過去の克服)という単語を創造し、『歴史に向き合い、反省に努め、暗い影から踏み出す』ことに努めた。その後、ドイツとフランスは百年にわたる征服戦争の恨みを捨てて、共に『欧州連合』(EU)を創設し、ヨーロッパの平和推進を牽引してきた。2年前にEUが『ノーベル平和賞』を受賞したことは、これが平和的に争議を解決する事例となったことを十分に証明するものであり、人類の歴史におけるよいモデルを樹立するものとなった」と述べた。
一方で、日本に対しては、「『カイロ宣言』、『ポツダム宣言』、『日本降伏文書』、ならびに1952年に調印した『中日和約』(日華平和条約)などの歴史文書には、いずれも(日本が)台湾および澎湖を中華民国に返還しなければならないと明記されている。釣魚台列島の帰属争議については、『下関条約』の調印3カ月前に、日本の内閣が同列島に国標を立てる決議をしたが、この行動は対外的には宣言されなかった。しかもこれは中国の領土を盗み取って占拠したのであり、国際法上は『最初から無効』である。日本は同列島を『下関条約』を根拠に50年にわたり統治してきたが、同条約が失効した後、日本が同列島を取得した根拠も同時に喪失した。したがって、台湾の漁民の操業権を保障するために我が国は日本と『台日漁業協議』に調印したが、領土と主権については『一寸たりとも譲ることはできない』とする政府の立場は引き続き堅持していくものである」と強調した。
また、馬総統は「政府は抗戦の史実の保存に力を入れている。国防部が検討している台北の国軍英雄館のリニューアル計画の中に、国軍博物館と抗戦記念館を共に組み入れるよう要請したほか、台北市政府と中央政府が『台北市婦女救援基金会』による『慰安婦歴史陳列所』の開設のための土地を探すことにも協力し、関連史実と文物が保存されることを望んでいる」との考えを示した。
【総統府 2014年7月7日】