馬英九総統が南シナ海問題の平和的解決の意向を再度表明

　９月１日、馬英九総統は台北市にある国史館で開催された「中華民国の南方国境・歴史資料特別展（中華民国南彊史料特展）」の開幕式に出席し、中華民国（台湾）の南シナ海諸島の主権に対する正当性を説明すると共に、「東シナ海イニシアチブ」の理念を南シナ海地域にまで拡大し、平和的方法で争議が解決できるよう期待した。

　馬総統はあいさつの中で、「南シナ海は世界で最も往来の激しい海上交通路の１つであると同時に、豊富な生物および無生物資源も有しており、長きにわたり国際的に注目され、主権を主張する各国がそれぞれ島嶼を占領する行為は、当該地域の争議を次第に白熱化させている」と指摘した。

　この６年の間、台湾の政府による南シナ海の実務を積極的に推進する関連行動について、馬総統は７つの具体的な例を挙げた。この中には２０１０年７月に、内政部が「東沙環礁国家公園」管理站（所）を正式に開設し、東シナ海『東沙環礁リサーチステーション計画（東沙国際海洋研究站計画）』を実施し、東沙が国際海洋研究の重鎮となるよう推進したことや、２０１３年１１月からは、交通部、国防部、行政院海岸巡防署が共同で南沙諸島にある太平島に交通インフラ建設を実行し、同年１２月には、交通部が太平島に通信網の設置を完成させ、連絡ルートおよび緊急通信サービスを簡便化させたことなどがある。

　その上で、「台湾の政府による南シナ海地域での上述の活動は平和的なものであり、軍事的なものではない。この目的は国民が自国の領土である南シナ海の島嶼への理解をより一層深めるためである。また同時に、台湾が当該島嶼について努力し計画・管理していることを国際社会に示すものでもある。台湾はこの中で、きわめて重要な役割を担っていることから今後、いかなる南シナ海に関する協議や交渉を行う際にも、中華民国は欠席してはならないのである」と述べた。

　さらに、「現在、台湾、中国大陸、ベトナム、フィリピンなどの国々は、南シナ海の島嶼をそれぞれ占領しており、それにより主権争議の解決をより一層困難にしている。しかし、当該地域は豊富な資源があり、『主権はわが国にあり、争議を棚上げし、平和・互恵、共同開発する』の理念を採ることができたならば、台日間のように、釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の主権争議はあるが、双方は争議を暫時棚上げし、漁業資源を共に分かち合い、ウィンウィンの結果を達成することができるのである」と強調した。

　最後に、「南シナ海の問題では、台湾の政府は国家の主権護持を堅持し、関連する歴史的資料の収集と公開を通して、台湾に主権があるという主張を明らかにするものである。また、地域の緊張緩和の方策を見出し、それにより争議を平和的に解決していく所存である」との方針を示し、政府が確固たる論拠を収集することに対する各分野の専門家たちの継続的な協力を期待した。また同時に、これを基にすることにより、「今後、南シナ海に関するいかなる協議、交渉の確保あるいは、関係各方面による行動規則制定の際に、中華民国が除外されることがなくなるであろう」と述べた。

【総統府　２０１４年９月１日】

写真提供：中央社

馬英九総統が南シナ海問題の平和的解決の意向を再度表明

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