台湾の７割以上の民意が政府による台湾海峡の現状維持政策を支持

　行政院大陸委員会（以下、陸委会）は７月１６日、２０１５年度定例の第２回世論調査の結果を発表した。

　それによると、政府が中華民国憲法の枠組の下、台湾海峡の「統一せず、独立せず、武力行使せず」という現状を維持する政策の立場を７２．２％の人が支持し、政府による「９２年のコンセンサス、[１つの中国]の解釈を各自が表明する」について、[１つの中国]とは中華民国であるとしていることに４９．７％の人が支持した。また。７２．１％の人が両岸間の制度化された話し合いは、両岸交流の中で派生する問題を実務的に解決する上でプラスになると評価した。

　また、両岸間の「租税協議」への調印推進に５４．２％の人が支持し、「航空飛行安全および航空基準協力協議」への調印推進にも７９．２％の人が支持した。さらに、これら２項目の協議が行政院版草案の精神に沿って、国会および国民との意思疎通並びに国家安全審査の方法を通して進めていくことについても、７５．０％の人が支持した。

　２０１４年２月の両岸両会（台湾の財団法人海峡交流基金会と中国大陸の海峡両岸関係協会）による第１０回両岸トップ会談で調印し、２０１５年６月２４日に発効した「海峡両岸地震監測協力協議」と「海峡両岸気象協力協議」については、７８．０％の人がこれらは両岸の人々の生命と財産を保障する上でプラスになると考えている。また、５９．０％の人が、両岸間が第３回の「両岸実務トップ会談」（台湾の夏立言・陸委会主任委員と中国大陸の張志軍・国務院台湾事務弁公室主任による閣僚級会談）で結論を得た「中国大陸からの旅行客の台湾でのトランジット、物品貿易協議、両岸両会の出先機関相互設置、指標的な重大経済犯罪犯の引き渡し、金門の地元が長期にわたり関心を寄せている問題など」のテーマについて、引き続き意思疎通を図っていくことを支持した。

　中国大陸が「台湾居民来往通行証」（台湾住民の中国大陸への往来通行証）実施を発表したことに、台湾政府は双方がお互いに尊重し合い、人々の権益と福祉にも配慮すべきという立場であるとの主張を７０．３％の人が支持した。両岸問題の長期的な見方については、「広い意味の現状維持」を主張する人は８６．１％で、圧倒的多数を占め、この主張は長期にわたり安定的に維持している。現在の両岸交流の速度については、「ちょうど良い」と考えている人は４４．８％で、「速すぎる」が２９．１％、「遅すぎる」が１５．４％だった。

　同調査は、陸委会が国立政治大学選挙研究センターに委託し、７月１日～同５日に、電話インタビュー形式で台湾の２０歳以上の成人を対象に調査を行った。有効サンプル数は１，０８４人で、信頼度は９５％。（誤差は±２．９８％）

【行政院大陸委員会　２０１５年７月１６日】