金溥聡・国民党秘書長が日本外国特派員協会で記者会見

　金溥聡・国民党秘書長（幹事長）は９月１７日、東京有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、台日関係や両岸関係、５大都市選挙などについて記者らの質問に答えた。同記者会見には蘇俊賓・国民党スポークスマン（前行政院新聞局長）も同席した。

　両岸経済協力枠組み協議（ＥＣＦＡ）が今月発効したことに関して、金秘書長は、「経済は台湾の生命線であり、台湾は輸出中心の国であることから、世界で地域経済統合の流れが進む重要なタイミングで、（ＥＣＦＡは）自己の道を広げるものである」との認識を示し、「中国大陸は世界の工場というだけでなく、重要な市場になりつつあり、台湾の経済拡大のためには、より多くの市場を求めなければならない」と指摘した。

　さらに金秘書長は、「両岸ＥＣＦＡ締結後、台湾の北東アジア、東南アジアでの競争力は、少なくとも減ることはない。逆にＥＣＦＡを締結しなかったら台湾のこれらの地域における競争力は大幅に圧迫される」と指摘し、ＥＣＦＡの締結が北東アジアの安定につながり、日本、台湾、中国大陸のトリプルウィンを創出できるとの考えを示した。

　最近日本と中国大陸当局との間で対立が強まっている釣魚台（尖閣諸島）問題に関して、金秘書長は、「釣魚台は中華民国の領土である」との原則を改めて表明したうえで、今回台湾の政府が香港・マカオから台湾に入国した「保釣」（釣魚台主権保護）活動家が釣魚台へ出港することを認めなかった事例をあげ、「今回の問題で中国大陸と連携することはない」と述べ、釣魚台に対する台湾の対応はこれまでと何ら変わりないことを強調した。

　また、金秘書長は、馬英九総統は就任以来７０団体を超える日本からの来客と会見するなど日本を重視しており、台日関係については台北松山～東京羽田の航空路線開設、台日ワーキングホリデー査証制度のスタート、台湾の札幌事務所（台北駐日経済文化代表処札幌分処）開設、台日漁業会談の再開などの進展があり、これらは台日双方の友人および国会議員の協力によって実現したものであり、このような良好な関係を強化していくことを望んでいると語った。

　このほか、１１月２７日に実施される５大都市（台北、新北、台中、台南、高雄）市長選挙に関して、金秘書長は「５大都市選挙は国民党にとってきわめて重要であるが、地方選挙は地方政治の選挙であり、県市長選挙と国の中央レベルの総統選挙は性質が異なることから、２０１２年の総統選挙の前哨戦とはみていない」との認識を示した。

《２０１０年９月２１日》

金溥聡・国民党秘書長が日本外国特派員協会で記者会見

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