「東アジアと領土問題」国際シンポジウムに台湾の陳宜中・中央研究院副研究員が参加

　東アジアにおける領土問題が領土ナショナリズムを引き起こす悪循環を止め、平和的な対話による問題解決により、「争いの海」を「平和の海」に変え、和解と共生の東アジアを創り上げることを目的とした「平和の海を求めて―東アジアと領土問題」と題する国際シンポジウムが７月７日、都内で開催された。

　同シンポジウムには台湾、日本、韓国、中国大陸の各研究者が出席し、４つのセッションが行われた。「なぜいま領土問題なのか」をテーマとした第１セッションでは、台湾の中央研究院人文社会科学研究センターの陳宜中・副研究員が、「領土問題と台湾」について報告を行った。

　陳・副研究員はこの中で、２０１２年８月５日に馬英九総統が提言した「東シナ海平和イニシアチブ」を取り上げ、これは「主権は中華民国（台湾）にあり、争議を棚上げ、平和互恵、共同開発」を主張していることであることを説明した。

　さらに、釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の主権あるいは領土の争いは表層でしかなく、北東アジアの人々はいかにして狭隘なナショナリズムの制約から抜け出し、互いを対等に扱い、歴史的な大いなる和解を達成できるかという、表層の背後にある問題解決は難しいものがあると指摘した。

　第４セッションでは、主催者総括および声明が発表され、その中で、東アジア地域の大局を見つめ、冷静に対話し、互いに尊重し、「平和の海」を作り上げることに全力を尽くすべきと結んだ。

《２０１３年７月８日》