中華民国(台湾)の活路外交の成果
中華民国(台湾)政府は、2008年5月より「活路外交」政策を推進し、「尊厳、自主、実務的、弾力的」の原則で、国際空間を開拓し、友好国との関係を強固なものにし、国交のない国とも実質的な関係を向上させてきた。
「活路外交」は、推進し始めてからこれまで、国内世論の十分な支持と国際社会からの一致した評価を得てきた。馬英九総統が提起した「東シナ海平和イニシアチブ」の東アジア地域における平和と安定への貢献に対して、米国のアイゼンハワー元大統領が1956年に創設した「ピープル・トゥ・ピープル・インターナショナル」(People to People International)は2014年9月に馬総統に「アイゼンハワー平和賞」を授与した。同賞は、世界の傑出した人物を表彰する最高栄誉賞であり、これまでに米国のレーガン元大統領(1986年)、南アフリカのマンデラ元大統領(2010年)らが受賞している。
「活路外交」の具体的成果
(一)二国間関係の安定発展
台湾の22カ国の友好国との関係は安定し、双方のトップ級の政府関係者は頻繁に相互訪問している。馬総統は2014年1月にサントメプリンシペ、ブルキナファソを訪問してから、ホンジュラスのエルナンデス大統領就任式に出席した。また、馬総統は2014年7月にパナマのバレーラ大統領就任式に出席し、さらにエルサルバドルを訪問し、各国との二国間協力プログラムを引き続き深めた。
呉敦義副総統夫妻は訪問団を伴い2014年4月にバチカン市国を訪れ、ヨハネ23世およびヨハネ・パウロ2世の列聖式に出席し、友好国との関係を強化し、台湾の国際注目度を高めた。また、江宜樺・行政院長夫妻は2014年6月に祝賀団を伴いエルサルバドルのサンチェス大統領就任式に出席し、2014年4月には厳明・国防部長が特使としてアフリカの友好国であるスワジランド国王ムスワティ3世の46歳誕生日式典に出席し、ブルキナファソも訪問した。
台湾と国交のない国との実質的関係もますます緊密になっている。特に米国、日本、欧州連合(EU)との協力はますます深化している。馬総統は2014年1月と6月、江・行政院長は2014年5月にそれぞれ外遊の際に米国でトランジットしたが、米国は台湾に対して高レベルの礼遇で迎え、スムーズに通過することができた。2014年4月に米国のジーナ・マッカーシー環境保護庁長官が訪台し、国際環境保護のテーマについてパートナー関係が構築され、台米間の高度な相互信頼がより明確化された。このほか、米国連邦議会下院は2014年4月に「2014年台湾関係法と海軍艦艇移転を確認する法案」を可決し、台湾への武器売却を支持した。
台湾とEUの関係は「台EU年度諮商会議」の制度的なメカニズムの下、経済・貿易、文化・教育、科学技術、人権、原子力安全、国土安全保障、インターネットセキュリティーなどのテーマについて議論と協力を進めている。台湾からは呉副総統夫妻および邱文達・衛生福利部長、龍応台・文化部長、潘世偉・労働部長などの大臣クラスがEUを訪問している。
台湾と日本の関係は歴史的な縁が極めて深く、双方の経済・貿易の発展、人的往来などさまざまなレベルでの交流を通して、両国の関係はますます緊密になっている。2013年の両国の相互訪問者数は376万人に達し、最高記録を更新した。台日間の貿易額は624億米ドルに達し、互いに重要な輸出入市場となっている。双方は2013年に「台日漁業協議」に調印し、台湾の漁民が安心して操業できる環境が確保された。
(二)国際参加の持続的拡大
2013年9月に沈啓・交通部民用航空局長は「特別ゲスト」として「国際民間航空機関」(ICAO)第38回総会に出席した。これは1971年に国連の議席を失って以来、初めてのICAO総会への参加となった。また、台湾の衛生福利部長(保健大臣に相当)は、6年連続でオブザーバーとして「世界保健機関」(WHO)の年次総会(WHA)の活動に出席している。そのほか、「世界貿易機関」(WTO)傘下の「政府調達協定」(GPA)に加盟を果たし、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)総会にもオブザーバーとして参加した、現在、引き続き積極的に「国連気候変動枠組条約」(UNFCCC)関連会議および活動への意義ある参加を目指している。
(三)国民に実感のあるノービザ待遇
台湾はこれまで140カ国・地域でビザ免除(またはランディングビザ)措置またはその他ビザ優遇措置を付与されており、6年前の54カ国・地域から86カ国・地域増加した。ビザ免除国・地域には米国、日本、英国、EUシェンゲン協定地域、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、イスラエル、トルコなどが含まれ、国民の出国がより便利となり、より一層尊重を受けるようになった。
(四)経済・貿易関係の開拓と発展
台米「貿易・投資枠組協定」(TIFA)会議が2013年に再開し、2014年4月に第8回TIFA会議がワシントンで開催され、双方の関係の継続的なエネルギーとなっている。また、台湾は引き続き「政府調達協定」(GPA)や「情報技術協定」拡大交渉(ITAⅡ)などのWTO関連会合での多国間交渉に参加している。2013年6月に台湾はWTOメンバー22カ国とともに「サービス貿易協定」(Trade in Services Agreement,TISA)の多国間交渉を開始し、2014年7月にWTOメンバー12カ国とともに「環境物品協定」(EGA)の多国間交渉を正式に開始する共同声明を発表した。
【外交部 2014年10月】