李登輝・元総統が大阪と東京で「これからの世界と日本」をテーマに講演

　９月１９日から７日間の日程で訪日している李登輝・元総統は、２０日に大阪市の大阪府立国際会議場（グランキューブ大阪）で、約１，６００人の聴衆を前に講演した。

　大阪での行程を終えた李・元総統一行は２１日、東海道新幹線で大阪から東京へ移動し、東京駅では台北駐日経済文化代表処の沈斯淳・代表が出迎え、台湾および日本の人々とともに李・元総統一行の来訪を歓迎した。

　李・元総統は、同日夜に大手町サンケイプラザで約６００人の聴衆を前に「これからの世界と日本」をテーマに講演した。

　このなかで李・元総統は、自分の国を自分で守ることの大切さと指導者のリーダーシップの重要性を強調し、１９９６年に台湾で初の総統直接選挙を実施する際に、選挙実施に反対する中国大陸が台湾に向けてミサイル演習を行ったが、当時の李登輝総統が「多くの対応シナリオがあり、恐れることはない」と呼びかけて国民を安心させたことにより、無事選挙を行うことができたと振り返り、あのとき選挙を延期したり戒厳令を敷いていたら国民の支持を失い、選挙に反対する者の思うツボになっていたとの考えを示した。

　さらに「日本と台湾は運命共同体。日本がよくなれば台湾もよくなる。その反対も然り」と強調し、日本の真の自立に賛意を表し、台日関係のさらなる強化に期待を示した。

　李・元総統は、２２日に神奈川県川崎市の浮島太陽光発電所を訪問し、日本における太陽光発電普及への取り組みについて意見交換した。

　東京での行程を終えた李・元総統一行は２３日、羽田空港から飛行機で北海道へ向かい、同日午後に千歳市の亀田牧場を訪問し、北海道における酪農や肉牛飼育などの畜産業について理解を深めた。李・元総統は２５日に帰台する。

《２０１４年９月２４日》