「フィールドオフィス・アーキテクツ展」開催、黄聲遠氏の20年間の成果展示
黄聲遠氏(写真左1)
台湾東部に位置する宜蘭を拠点に、地域の風土に根差した設計に取り組んでいる「フィールドオフィス・アーキテクツ」(以下、フィールドオフィス)がこれまでに手がけてきた20年間にわたる設計・創作活動を紹介する展示会が、東京・乃木坂にあるTOTOギャラリー・間において、「フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place 田中央工作群 活出場所」と題し、7月10日(金)~9月12日(土)の会期で開催されている。
「フィールドオフィス」は、建築家の黄聲遠(ホアン・シェンユエン)氏が開設した設計事務所であり、黄氏が掲げる「建築とは、人と社会、自然や環境が一体となったものであるべき」という建築思想に共鳴した若い建築家たちも、黄氏と共に活動している。
黄氏は、町のあるべき姿を追求し、個々の建築設計にとどまらず、長い歳月をかけて自身で設計してきたそれぞれの建築物をつなぐプロムナードを創出したり、人の流れを作るためのインフラ整備やグランドデザインにまで広げ、建築で宜蘭に理想の街を創ることを目指して活動をしている。黄氏が手がけてきた作品は、国内外で20以上もの賞を獲得し、その実力が評価されている。
同展では、これまで20年間にわたり手がけてきた宜蘭での町づくりから得た4つの「気づき」をテーマに、各作品の模型、写真、映像、インスタレーションなどを用いて展示している。
初日には開幕式が開かれ、黄氏をはじめ「フィールドオフィス」の建築家らが出席した。黄氏はあいさつの中で、作品は事務所から半径10キロ以内を範囲とし、建築物を設計する際にそれを取り巻く自然の環境も併せて考えるようにしていることなど全般的な活動のコンセプトについて説明した。模型の展示については、「時間と歴史をテーマとしている。私たちのプロジェクトはバラバラのようだが、続けて行っていく中で、つながるものだと想像してほしい」とアピールした。
同展は台北駐日経済文化代表処(以下、駐日代表処)も特別後援をしていることから、開幕式に朱文清・駐日代表処台湾文化センター長も出席した。会場は日本の建築設計界の関係者が数多く出席したほか、美術館関係者なども駆けつけ、「フィールドオフィス」が日本でも大きな注目を集めていることがうかがえる場となった。
会場風景
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「フィールドオフィス・アーキテクツ展 Living in Place
田中央工作群 活出場所」
開催日:2015年7月10日(金)~9月12日(土)
(休館日:月曜・祝日・8月8日~8月17日)
開館時間:AM11:00~PM18:00
入場料:無料
場所:TOTOギャラリー・間
東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分n
TEL:03-3402-1010)
主催:TOTOギャラリー・間
特別後援:台北駐日経済文化代表処
「フィールドオフィス・アーキテクツ展」ウェブサイト
http://www.toto.co.jp/gallerma/
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