行政院、日本食品台湾輸入公聴会開催で意見募る

　行政院（内閣）は10日、国民の食の安全を確保し、中華民国政府が実施する日本産食品の輸入に関する監視、放射性物質測定、管理などの措置と今後の計画を国民に理解させるため、11月12日から14日まで、台湾北部、中部、南部、東部で10回にわたる公聴会を開催することを決めた。一般市民、学者、専門家、及び市民団体などと対面し、意見交換を行うことで、日本産食品の輸入に関する国民の考えや希望を理解するのが狙い。

　行政院によると、2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を受け、衛生福利部（日本の厚生労働省に類似）は国民の健康を守るため、日本の福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県産の食品の輸入を直ちに停止した。日本では原子力発電所の事故後、これらの地域における食品の生産や製造に関する管理を強化しており、世界の多くの国々がすでに全面的、あるいは条件付きで、これら県産の食品輸入規制を解除している。

　行政院によると、貿易自由化の原則と、国民の飲食の健康を優先するという原則の下、台湾で輸入規制の対象となっている日本の5県産の食品について、衛生福利部と行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）が二段階に分けて規制緩和を進める方針を固めている。初期段階では、福島県産の食品について依然輸入禁止とするが、福島県を除く、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県の4県の食品については輸入を解禁する。但し、放射性物質が含まれている可能性が高い「高リスク食品」は輸入を禁止し、その他はロットごとの抜き取り検査に改め、放射性物質に汚染された食品の輸入を食い止める。また、これら4県産の食品の輸入については、引き続き日本政府、または日本政府が認めた検査機関が発行する産地証明と放射性物質検査報告書を添付するよう要求する。

Taiwan Today：２０１６年１１月１１日

写真提供：中央社
　行政院（内閣）は10日、国民の食の安全を確保し、中華民国政府が実施する日本産食品の輸入に関する監視、放射性物質測定、管理などの措置と今後の計画を国民に理解させるため、11月12日から14日まで、台湾北部、中部、南部、東部で10回にわたる公聴会を開催することを決めた。写真は日本産食品に対する各国の輸入規制の状況。現在、日本産食品に対する最も厳しい輸入規制を行っているのは台湾と中国大陸となっている。