八田與一氏の孫が語る台日文化交流の講演会に謝長廷・駐日代表が出席

謝長廷・駐日代表

八田修一氏

　台北駐日経済文化代表処（以下、駐日代表処）の謝長廷・代表は6月24日午後、東京・虎ノ門にある駐日代表処台湾文化センターで開催された八田與一氏の令孫、八田修一氏の「嘉南大圳における日本精神～八田與一の生きる哲学とは～」をテーマとした講演会に出席した。謝・駐日代表は八田與一氏について、100年前に嘉南平原の灌漑網を建設したのみならず、100年後の現在の台日友好をもつなげた人物だと紹介し、「我々はこの友好の絆を大切にしていくべきであり、私はこれを次の世代へと末永く繋げていきたい」と述べた。

　八田修一氏は講演の中で、祖父・八田與一氏が後世に残してきたものは３つあり、第１には嘉南大圳（用水路）、第２には先進的なダム工法や労働者に対する思いやりなどの独創的な考え方、第3には人間がいかに生きるべきかという哲学や理念だったと分析した。とりわけ第3については、利他精神および公共精神、土木技師としての気概があったと強調した。

　今年4月中旬に台南の烏山頭ダムの畔に設置されていた八田與一氏の銅像の一部が壊されたことについては、「このようなことで日台の関係は簡単に損なわれるものではなく、日台の絆が深まる糧だったと思っている」と述べた。謝・駐日代表も、「これは我々にとっても痛ましいできごとだった」と述べると共に、遺族に対しお詫びした。さらに、「飲水思源」の言葉を用いて、八田與一氏の台湾に対する貢献とすばらしい人柄に、今でも台湾の多くの人々が感謝していると述べた。

«２０１７年６月２６日»