行政院文化獎、作家・李喬さんと女優・唐美雲さんが受賞
文化部(日本の文部科学省に類似)は29日、台湾文化における最高栄誉とされる第38回行政院文化獎(獎=賞)の受賞者を発表、作家の李喬(本名:李能棋)さんと台湾の伝統芸能、歌仔戲(台湾オペラ)の役者、唐美雲さんが選ばれた。
李喬さんは1934年、台湾北部・苗栗で生まれた。台湾を代表する客家人の作家であり、1930年代に生まれた重要な作家の一人としても数えられる。李さんの作風は、現実主義スタイルに基づき、人間と命がもろくて弱いものだということを表している。李さんは数多くの様々な著作を発表している。代表作は、「寒夜三部曲(日本語版:寒夜)」、「苦水坑」、「藍彩霞的春天(日本語版:藍彩霞の春)」などで、そのうち「寒夜三部曲」は、最も重要な作品とされている。「寒夜三部曲」は、日本占領時代の台湾を写実した小説で、母性愛の偉大さを伝え、人々の尊厳や苦難、故郷への愛着を描いている。
もう一方の受賞者、唐美雲さんは1965年、台湾南部・台南生まれ、両親ともに歌仔戲の役者という環境で育った。唐さんは文武(智能と武術)型の男役を専門に演じる。伝統的な歌仔戲の若い男性を演じる技術のほか、中国大陸の伝統的な古典演劇、京劇の姿勢や身のこなしも研究したことがある。また唐さんの歌仔戲における歌声は独特なものがあり、歌仔戯の伝統的な旋律、「都馬調」、「雑念調」を取り入れている。唐さんの演出は、屋外劇場からテレビの歌仔戲作品までに及んでいる。また1989年に歌仔戲「鉄膽柔情雁南飛」で、初めて台湾を代表する劇場、国家戲劇院(ナショナルシアター、台湾北部・台北市)の舞台に立った。1998年には「唐美雲歌仔戲団」を立ち上げ、毎年ジャンルを超えた作品を手がける。さまざまなパフォーマンスやテーマに挑戦し、多様な文化を統合した素晴らしい作品を発表し、現代の台湾における歌仔戲の演劇スタイルの幅を広げることにも一役買っている。数々の受賞歴を持つ唐さんは、1998年に「中華民国十大傑出青年女性」に選ばれたのを始め、芸術分野では、 台湾の権威あるデレビアワード「ゴールデン・ベル・アワード(金鐘奨)」の連続ドラマ最優秀主演女優賞(2001年)、台湾のグラミー賞とも称される「ゴールデン・メロディ・アワード(金曲奨、The Golden Melody Awards FOR Traditional Arts and Music)」の最優秀演技者賞、台湾における芸術分野の最高栄誉「国家文芸奨(芸術部門)」(2012年)など権威ある賞を受賞した。
行政院文化獎は、中華民国政府が主催する最高栄誉の文化賞で、優れた芸術家の生涯にわたる功績を称える。審査はとても厳格に行われ、まずは提出された書類を審査する第一次審査が行われるが、少なくとも3人の審査員の同意がなければ通過できない。その後、審議会を開催して決議を採る。このとき、3分の2以上の委員が出席し、かつ出席した委員の4分の3以上の委員の同意で通過となる。最終的に行政院長(首相)の決定に委ねられ、選ばれた受賞者は行政院長から直接、文化獎メダル、証書および賞金100万台湾ドル(約350万日本円)が授与される。今年の文化獎授賞式は、5月9日、台湾北部・台北市にある華山文創園区(クリエイティブパーク)西1館において開催される。
Taiwan Today:2019年1月30日
写真提供:自由時報、聯合報
台湾文化における最高栄誉とされる第38回行政院文化獎に選ばれた作家の李喬さん(写真左)と歌仔戲の役者、唐美雲さん(写真右)。
