文化部、台北公会堂など3つの有形文化財を「国定古蹟」に昇格

　文化部（日本の文部科学省に類似）は22日、高雄市（台湾南部）にある「旗後砲台」と「打狗英国領事館及官邸」を国が指定する有形文化財（建築物）である「国定古蹟」に昇格すると公告した。台北市（台湾北部）にある「台北公会堂」もこのほど、「国定古蹟」に昇格されたばかり。いずれも従来は「直轄市定古蹟」だった。これにより、台湾の「国定古蹟」は合計103か所に増えた。

　「旗後砲台」は台湾で最初に導入された西洋式の砲台。台湾で最も早い時期に設置された2つの西洋式砲台のうちの１つである。砲座、兵舎、弾薬庫、前後の操練所の跡地がかつての原型をとどめ、清朝末期の防衛的思考を今に伝える。軍事史研究の上でも重要な価値を持つ。時代に伴い、またいくつかの戦いを経るたびに、ニーズに合わせて増改築が行われた。しかし、南端の出入口が大きく変わったほかは、おおまかな形式は原型のまま残されている。また、周囲の環境も砲台建設時の風貌をとどめている。

　「打狗英国領事館及官邸」は、もともと「市定古蹟」であった「打狗英国領事官邸」、「打狗英国領事館登山古道」、「高雄州水産試験場（英国領事館）」の3つを１つにし、「国定古蹟」として認定したもの。高雄市鼓山区高雄港にある旧イギリス領事館と領事官邸、それにその2つをつなぐ山道は、清朝と日本占領時代における商業活動の歴史を伝える空間である。台湾では最も良く原型をとどめている領事館建築群だ。打狗港（現在の高雄港）開港後の対外貿易の発展を見守ってきた証人であり、19世紀末以降に台湾が世界を舞台に活躍するようになった過程を反映した場所でもある。

　「台北公会堂」は日本占領時代の1936年に完成した。日本占領時代の台湾においては最大規模且つ最も重要性を持った公会堂だった。戦後は台北市中山堂と改名。外壁は多様な素材のレンガやタイルが垂直、水平、幾何学など様々な図案で配されている。各階層の間取り、動線、空間配置など、いずれも台湾の建築設計の近代化をリードする存在となった。

Taiwan Today：２０１９年２月２６日

写真提供：文化部
　文化部はこのほど、高雄市にある「旗後砲台」と「打狗英国領事館及官邸」、台北市（台湾北部）にある「台北公会堂」を「国定古蹟」に昇格した。写真左から１枚目は「旗後砲台」、2枚目は「高雄州水産試験場（英国領事館）」、右上は「台北公会堂」、右下は「打狗英国領事官邸」。