文化部、第43回「金鼎奨」の受賞者発表
文化部(日本の文部科学省に類似)は12日、第43回「金鼎奨(Golden Tripod Awards)」の受賞者を発表した。「金鼎奨」は出版業界を対象とし、優れた出版社、出版関係者、創作者などに贈る賞。
今年の「金鼎奨」には合計1,229点の作品がエントリーした。その結果、「雑誌」、「図書」、「デジタル出版」、「政府出版」の4部門、合計20項目の賞を29作品が受賞したほか、45点の作品が「優良出版品」の推薦を受けた。
また、今年の「特別貢献奨(=賞)」は、児童書作家の幸佳慧さんに与えられることが決まった。幸佳慧さんは英ニューカッスル大学で児童文学を学び、博士号を取得。これまで長期にわたり、児童文学の創作、普及、研究、翻訳などに携わってきた。審査員団は幸佳慧さんの作品について、「児童を対象にしているからといって自ら制限を設けることなく、台湾社会が公平や正義へ向かう過程で直面するさまざまな問題を果敢に取り上げ、そしてどんなに困難に見えるテーマについても、すべて児童とのコミュニケーションの糸口を見つけ出すことができる」とその手法を高く評価した。
「図書」部門の審査委員は、今年のエントリー作品について、詩、小説、散文など全ジャンルに及んでいたと評価した。非文学の図書については、オリジナル性の高い出版品が多かったという。「雑誌」部門については、受賞作品の多くが長く発行され、独自のスタイルを築き上げ、安定した質を維持している刊行物が多かった。「デジタル出版」部門の審査委員によると、今年のエントリー作品は新たなデジタル時代の波に積極的に対応しており、多様な媒介を使い、さらなるデジタルコンテンツの可能性を感じさせるものが多かったという。例えば商業周刊の『荒謬議会現形記』は、デジタルストーリーテリングを取り入れたサイトで、限られた空間に内容、図表、イラスト、それに利用者参加型の簡単なクイズなどを取り入れ、極めて高い反響を呼んだ。「台湾蛙類図鑑APP数位服務」は台湾に生息するカエルやその鳴き声を検索できるアプリで、位置情報サービスを使って発見したカエルの情報を通報、登録することができる。モバイル端末を使って百科図鑑の特性を十分に発揮できる作品となっている。「政府出版」部門で「数位出版奨(=デジタル出版賞)」を受賞した『観・台湾』は、国立台湾歴史博物館の季刊誌に相応しく、毎号その収蔵品を活用し、古い地図、公文書、写真、文物などの史料を組み合わせた内容になっている。
受賞式は9月12日、台湾北部・台北市にある台北文創大楼で行われる。
■「雑誌」部門
一、人文芸術奨:新活水(Fountain)
二、財経時事類奨:今周刊
三、児童及少年類奨:幼獅少年
四、学習類奨:人本教育札記
五、生活類奨:郷間小路
六、新雑誌奨:週刊編集
七、専題報導奨:楊智強 「羅興亜系列報導」 経典雑誌
八、専欄写作奨:張亦絢 「我討厭過的大人們」 幼獅文芸
九、撮影奨:王建棟「誰讓台湾回収神話幻滅?」 天下雑誌
十、主編奨:江家華 新活水(Fountain)
十一、設計獎:洪彰聯 新活水(Fountain)
■「図書」部門
一、文学図書奨
「毎天都在膨張」 (鯨向海)
「野猪渡河」 (張貴興)
「等路」 (洪明道)
「余英時回憶録」(余英時)
二、非文学図書奨
「我們的島:台湾三十年環境変遷紀録」(柯金源)
「蔵書之家:我與我爸,有時還有我媽」(黄震南)
「老師傅的排版桌:台湾活字排版実作工具図解紀録」(高鵬翔)
「灶辺煮語:台湾閩客料理的対話」(陳淑華)
三、児童及少年図書奨
「不愛読書不是你的錯」 (幾米)
「麒麟湯」 (張維中、南君)
「値得認識的 38 個:細菌好朋友」(陳俊堯)
「小師父大徒弟:尋找心的魔法」(林世仁)
四、図書編輯奨
謝采芳 「看不見的雨林─福爾摩沙雨林植物誌:漂洋来台的雨林植物,如何扎根台湾,建構你我的歴史文明、生活日常」
五、図書插画奨
徐銘宏 「画説宝春姐的雑貨店」
■「政府出版」部門
一、図書奨
「癭台湾-虫癭指南」
二、数位出版奨(=デジタル出版賞)
「観・台湾」
■「デジタル出版」部門
一、数位内容奨(=デジタルコンテンツ賞)
「荒謬議会現形記」
二、数位創新奨(=デジタルイノベーション賞)
「台湾蛙類図鑑APP数位服務」
Taiwan Today:2019年8月14日
写真:幸佳慧さん提供、中央社
文化部(日本の文部科学省に類似)は12日、第43回「金鼎奨(Golden Tripod Awards)」の受賞者を発表した。今年の「特別貢献奨(=賞)」は、児童書作家の幸佳慧さん(写真)に与えられることが決まっ